夕暮れ時のワイキキを散歩する <ハワイの風に吹かれに行く>⑲

スタービーチボーイズのパラソルの方向を目指してパドルで戻り、岸に上がって交番裏の無料の水シャワーで体とボードを洗う。ボードを受付カウンターの女性に見せて、戻ったよと一応声をかける。預けたタオルを引き取って体を拭きながらカラカウア・アヴェニューを歩く。こうしてみるとワイキキというのは銀座の横にサーフィンが出来る海がある様なものだ。こんな環境は世界中を探しても他に無いだろう。私の様にノースショアのデカ波に挑戦する気も技術も無いサーファーにとって、ワイキキは最高の場所である。今後もハワイではこのパターンしか無いなと確信した。
一度部屋に戻るつもりであったが、妻にLINEしてみる。私の手元にはスマホとwifiルーターがあり、妻は部屋にいるので部屋のwifiで通信が可能なのだ。ちなみにサーフィン中はスマホとwifiルーターとクレジットカードは防水ケースに入れて首から紐で下げて背中側に回しタッパの内側に挟んでいる。万が一落ちてもケースの浮力で海に浮かぶ様になっている。結構邪魔で存在感があるが、その方がその都度存在を意識するので無くなった時に直ぐに気がつくから良いと思っている。私は良く物を無くす方なので、海外のサーフィンの時だけは気をつけている。
妻にLINEで、フードパントリーに寄って夕飯の食材を買って帰るから遅れると連絡した。シェラトン・プリンセス・カイウラニの前の道まで戻って、ブラブラとフードパントリーを目指して歩く。海上がりの散歩は気持ちが良い。店に到着する頃には髪は乾いていたが、店内はエアコンでギンギンに冷えている。これは長居すると風邪を引くと思い、必要な物だけ手早く買い集めて店を後にした。
部屋に戻ったが夕飯には未だ早い。お米だけ研いで炊飯器にセットして、妻と海辺を散歩する事にした。例の超原始的な炊飯器は見た目の頼り無さとは裏腹に毎日美味しいご飯を炊いてくれている。旅行中は炊飯器があるだけ幸せなので、このシンプル炊飯器で充分である。
散歩がてら、前から気になっていたロイヤル・ハワイアン・ホテルのメインの入口はどこから入るのだろうという事を確かめに行ってみた。海側はレストランのテラス席だし東側はバックヤード的なアプローチとなっている。西側はシェラトンと隣接していて北側はロイヤル・ハワイアン・センターとなっているので塞がれている格好だ。普通はホテルに車で乗り付ける際に車寄せがあるが、それが見当たらないのが不思議だったのである。ロイヤル・ハワイアン・センターの真ん中辺りを横切っている道路がロイヤル・ハワイアン・アヴェニューであるが、ホクラニから歩いてここを右手に折れるとシェラトン・ホテルの車寄せになる。その脇にロイヤル・ハワイアン・ホテルの芝生の庭があるので、その中の歩道部分を歩いて入ってみる。建物内に入る事は出来るが、どうもメインエントランスという感じではない。湾曲した歩道部分をさらに歩いて一旦ロイヤル・ハワイアン・センターに戻る。その先に進んでまた別の徒歩アプローチでホテル側に入ってみる。こちらも芝生の庭からのアプローチとなり、メインエントランスに辿り着いたが、やはり車でのアプローチは出来ない形になっている。そうかぁ、なるほど、古き良き時代のこのホテルの佇まいを想像してみる。ロイヤルハワイアンセンターを建てる前はそこに椰子の木が茂る広大な敷地だったとの事である。未だ開発も左程進んでいないのんびりとした緑溢れる南国島国のリゾートという雰囲気だったのであろう。当時のこのホテルを知る人が今の姿を見たら嘆くのではないだろうか。ロイヤル・ハワイアンという名称は頭についても現在の所有者はホテルと商業施設では別の様である。ホテルを所有する国際興業さんがこのホテルを買う時にロイヤル・ハワイアン・センターの敷地も一緒に買えていればその後の状況も違う物になっていたのだろう。もしくは2000年代にテナント入居率が半分になってしまったという時期にロイヤル・ハワイアン・センターを買収するチャンスがあったならと思う。
2005年から2008年にかけて行われたロイヤル・ハワイアン・センターの大規模リノベーションはこのホテルにとっても利益をもたらす大成功のプロジェクトだったと思うが、ホテルへのアプローチをもう少し配慮する良い方法が無かったのだろうか。
開発上手なアメリカの会社によってロイヤルハワイアンセンターは現在隆盛を誇っているが、所有者も経営者も違うこのホテルのアプローチに関しては残念な気がしてならない。

その後、ビーチサイドに回ると既に陽が傾きかけていた。ピンク・パレスをバックに記念撮影するには日の当たり具合が丁度良い。柔らかい夕陽を浴びて美しく映える建物をカメラに収めた。カヌーズポイントの方を見ると未だ沢山の人が波乗りを楽しんでいる。夕陽を浴びてのサーフィンは最高なんだよなぁ、特にあのダイヤモンドヘッドを横に眺めながらのサーフィンは絶景だろなぁと思いながらデュークカハナモク像までビーチを歩く。妻は「最初からここでサーフィンすれば良かった」と言う。今回は私の選択ミスで可哀想な事をしてしまった。
カラカウア・アヴェニューを渡り、ハイアットリージェンシーのモールで買い物して、2階のファンクションサーフに見るだけのつもりで入ったら日本と比べてアルメリック・サーフボードが非常に安いので危うく買いそうになった。デルタ航空のサーフボード持込チャージが高いので、折角安く買えても帳消しになる。今度また別のエアラインで来た時にしようと思い止まった。

続きはこちら「カハラ・モール」

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