この日は予定より１件多く回ることが出来た。初日としては上出来である。やれやれと安堵すると、お腹が空いているのに気が付いた。どこでもいいから早く夕食を食べたいと思い「Google map」を起動して、 そこから近い場所でレストランを検索するとジョイフル徳島上板店がヒットした。
ジョイフルは九州地方では大手のファミレスと言う事は知っていたので、まぁ無難かと思いそこに決めた。移動時間５分である。水分不足になっていたので、ファミレスの様にドリンクバーがある店は助かる。
メニューを開くとこれと言って特徴は無い。ファミレスだと料理の味はどの店もあまり変わらないと思い、無難なところでハンバーグをオーダーしたが「微妙」であった。
食べ終わると陽は暮れており、真っ暗な道を今日の宿である「グランドエクシブ鳴門ザ・ロッジ」を目指して走ることになる。途中山越えがあり、かなり急なヘアピンカーブを登って行く。山中は本当に真っ暗でこの先に本当にエクシブがあるのか少々不安になってくる。峠を越えると今度は一気に下り、やがて海沿いの道を暫く西に向けて走ることになる。瀬戸内の海は穏やかな平面である事が夜目でもわかる。グランドエクシブ鳴門の入り口は海岸線の道路沿いにあり、立派なゲートが一際目立つのですぐに分かる。そこからは、また山道を延々と登って行くことになる。これが全部エクシブの私道な訳だが、とてつもない大きさの敷地である事がわかる。道は途中でＴの字で突き当たり左右どちらに行ってもホテルらしき建物が遠くに見える。とりあえずは左手側の建物の照明の方が明るいのでそちらに向かってみた。
建物のエントランスの車寄せまで来るとそれはまるでお城の様な豪華さである。ベルボーイが出て来たので予約の名前を告げると「お待ちしておりました」との事で荷物を降ろしてくれる。妻だけ車を降りて先にロビーに向かい、私が駐車場に車を止めに行った。
駐車場に車を停めて歩いてロビーに行くとフロント係が、「申し訳ございません。お客様のご予約は別棟の方でございました」と恐縮している。こちらのホテル棟はエクシブのオーナーさん専用との事である。仕方がない、もう一度駐車場に戻り車を取って来る。荷物を積み直して先程のＴ字路の向こうのホテル棟に向かう。別棟に到着すると、こちらのホテル棟は先程と比べると簡素な感じがする。こちらが「ザ・ロッジ」と言うらしいが先にこちらを見ていれば、これでも充分豪華ではある。フロントでチェックインを済ませて部屋に向かうが人の気配は少ない。稼働率はかなり低そうだ。どうりで安い宿泊費でネットに出しているわけだと納得した。これだけの規模のホテルの稼働率を維持するのは大変であろう。お遍路さんは宿泊費にそんなに予算を当てないだろうし、周辺にはこれといった強力な観光スポットがある訳でもない。現状では水光熱費などをやっと賄える位の収入しか無いのではなかろうか。聞くとこのホテルは破綻したホテルをエクシブが買収して、敷地内に新館を新築したそうである。その新館が最初に立ち寄ったホテル棟で、こちらの権利を会員権にして販売したのであろう。「エクシブ鳴門サンクチュアリ・ヴィラ ドゥーエ」と言うらしい。以前ならRCIのポイント交換でヒルトン・タイムシェアのポイント交換で予約できたのだがその技を使ってエクシブを利用する人が多過ぎたのだろう、エクシブがRCIとの提携を切ってしまった様だ。
我々の宿泊したザ・ロッジは平成バブルの香りが漂っており、部屋の水回りなどはそのバブル当時のものが未だそのまま使われているので少々古臭い感じがする。ともあれ部屋は広いので快適であった。「サンクチュアリ・ヴィラ ドゥーエ」との中間あたりに別棟でアロマハウスがあり温泉とマッサージの施設になっているようだ。温泉は無料であったが移動が煩わしいので行かず終いであった。朝食はオーナー棟に和洋それぞれのレストランがあり、我々は和食を予約していたので、そちらに通された。
レストランも混んではいない。全体で１０組位である。それからするとオーナー棟も宿泊客は少ないのであろう。エクシブのビジネスモデルは優秀でキャッシュリッチな優良企業というイメージであるが、他のホテルの稼働率はどうなのだろうか。会員権を買わなくても泊まる方法があれば何ヶ所か試しに宿泊してみたいと思う。
朝食は旅館の朝ごはんと言う感じで非常に美味しかった。ご飯もついついお代わりして、朝から満腹で、これからお遍路に廻るという気分では無くなってしまった。ゴルフ場も隣接しているので、機会があればゴルフ目的で宿泊するのが良いかもしれない。チェックアウトの際にはゴルフ組の男性客がコースに向かっていった。
我々は今日からは本格的にお遍路を廻らなければならないので何とか気持ちを切り替える。６番札所までは山を越えて行かなければならない。かなり出遅れてしまったのでヘアピンカーブをパッソで攻める。
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