ファミリーロッジ旅籠屋室戸店に初宿泊する <思い立って四国お遍路八十八ヶ所>⑮

この日の宿泊は、チェーン店の「ファミリーロッジ旅籠屋」室戸店である。金剛頂寺からは室戸市内へ少し戻った海沿いの国道55号線沿いにある。途中看板を確認していたのでたどり着くのは簡単であった。千葉で同系列の店を最初に見た時は「何か宗教の建物か?」と気になっていて、後に宿泊施設と知って面白そうな宿だなと思ったので今回の宿泊を楽しみにしていた。
建物前の平面駐車場には未だ宿泊客の車は1台も無く我々が一番乗りの様である。車を停めて先ずは建物内のフロントに入るとカウンターには誰もいない。チャイムを鳴らすと年配の男性が奥から現れた。チェックインは現金で前払いとなる。今回はじゃらん経由で予約をしたが、宿のHPで直接予約するともう少し安くなるようであった。この室戸店は年配のご夫婦がフロント係をやっており、どうやらお二人だけで切り盛りされている様である。フロント前のロビーには珈琲紅茶、オレンジジュースが無料で飲める様になっている。翌日の朝食時にはパンのサービスもあるそうだ。建物のは鉄骨造のアパートの様で、鍵を貰ったら外階段を登って直接部屋に入るアパート方式である。鍵を受け取って車に戻り、スーツケースを運んで2階の部屋に入れる。室内は簡素であるが思ったより広くてベッドも大きい。セミダブルベッドが2台置いてあるが、それでも周りには十分なゆとりがある。前日のアパホテルから比べると天国である。これで1部屋8000円なので激安と言って良い。

どこで夕食を食べようかGoogleで検索しても、この辺りには飲食店が少ない。その中で比較的無難そうな「道の駅・キラメッセ室戸」に行ってみることにした。夕飯の時間には未だ少し早いので、先にスーパーに寄って買い物をする事にした。旅籠屋では翌朝にパンのサービスはある様だが基本的に素泊まりなので朝食は別途用意して食べなければならない。翌朝は、旅籠屋のパンのサービスが始まる前の時間帯に早めの出発しようと考えたので朝食分のサラダやサンドイッチ、ヨーグルトなどを買い込んだ。室戸市街には2件のスーパーがある。一旦旅籠屋に戻って買い込んだ食品を部屋の冷蔵庫に納める。
そうこうしているうちに夕飯に丁度良い時間になった。道の駅に到着するとレストランには未だ他に客はいなかった。窓際のテーブル席は太平洋の雄大な景色が目の前に広がる特等席である。丁度夕陽が沈みかける時間帯で、外を眺めていると忙しかった1日の疲れが癒されていくような気分になった。夕飯には、高知に来たら食べておかなければならないカツオのタタキを頂いた。店員さんと話をして「お遍路を廻っているんです」と言った為なのか、食事が終わったところでソフトクリームをサービスしてくれた。ご接待ということなのだろうか、有難く頂いたこのソフトクリームが絶品であった。
旅籠屋に戻ると、他に数台の宿泊客の車が停まっていた。部屋に戻って一息ついたら先ずは洗濯に取り掛かることにする。前日まではホテル泊のため洗面で手洗いしていたが、ここには1階の共用スペースに洗濯機乾燥機があるので大変助かる(アパはランドリーがあったが先客があって使えなかった)。洗剤はフロントで売っている。フロントでは珈琲がセルフで無料で飲める事と新聞雑誌などが置いてあるのでソファに座って寛ぐことが出来る。土地柄お遍路のガイドブックも置いてあったので翌日以降の行程を予習する事が出来た。宿泊したのが2階の部屋だったので音の問題も無く快適に過ごせたが1階の部屋だった場合は上階の宿泊客に子供がいたりすると騒音があるかもしれない。洗濯物を取って部屋に戻る時、建物がアパート式に外廊下の為、部屋のドアの前の照明に沢山の虫が群がっていた。ドアを開ける時に注意が必要なほどであった。虫が来ない照明にしてくれれば有難いのに残念である。
旅籠屋は翌朝のチェックアウトが早い場合はフロントで鍵をドロップすれば良いシステムになっている。荷物を車に積み込んでフロントに鍵を戻しに行くと丁度ご夫婦が朝食のパンをラウンジに並べ始めているところであった。食べないで出発しますというとご主人は残念がっていた。何かほっこりする宿であった。

続きはこちら「27番札所・神峯寺~」

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