家賃滞納者に対する賃料督促と明渡訴訟を自分でやってみた

賃貸している不動産物件のうち1件のテナントの法人が数か月賃料を滞納しているので、訴訟を起こす事にした。このテナントは数年前にも賃料滞納を起こして訴訟をしたのだが、「未納分をちゃんと支払う」というので和解して、継続して入居して貰っていた。
訴訟手続きを弁護士に依頼すると報酬をがっつり支払わなければならないので、前回は司法書士に訴状の作成を依頼して、自分自身で東京簡易裁判所に出向き訴状を提出した。
その経験があるので、今回は訴状の作成から全て自分自身で行い東京簡易裁判所に提出する事にした。
年初から滞納が始まり、春頃に配達証明付き内容証明郵便で、賃料の督促と契約の解除及び明渡しの督促をした。
その後、直ぐに訴訟に進むつもりでいたのであるが、ポロポロと賃料の振込があった事と、電話がかかって来て一度会いたいというので面談して、その後翌月には纏めて支払うという事を言っていたので、訴訟を保留していたのであるが、結局支払いが無いため、訴訟に踏み切る事にした。先ずは前回使った訴状のワード文書を打ち直して、今回の状況にアップデートして、証拠書類を揃えた。

手間と時間と費用がかかるため、本来なら避けたいところではあるが、放置すると損害が膨らむのでやむを得ない。久しぶりに裁判所に出向いた。

建物に入る際のセキュリティーチェックは空港セキュリティーより少し甘いが、それなりに物々しい。

裁判所には素人さんの為の相談窓口「簡裁民事手続案内」があるので、先ずはそこに行って事情を説明して、訴状の内容をチェックして貰うことが出来る。この窓口の対応は非常に丁寧で親切である。しかもこちらの簡単な説明と自作の訴状を一読しただけで、状況を把握してアドバイスしていただけるので、流石プロフェッショナルであると感動してしまう。裁判所勤務の公務員さんはレベルが高い。
訴訟物価格、貼用印紙額、予納郵便切手の額について訂正があり、二重線で消して訂正して、証拠書類のコピーをもう一部づつ用意して、提出用の訴状一式が完成した。

東京簡易裁判所の地下1階にはファミリーマートがあり、そこで書類のコピーをとれるのだが、ソーターが無いので1枚づつコピーしなければならない。これには閉口した。無駄になっても先に余分にコピーをして持って行った方が良さそうである。
収入印紙と予納郵便切手もこのファミリーマートで購入出来る。
全て揃えたら再度相談窓口「簡裁民事手続案内」に行き、提出物をセッティングする。OKが出たら提出窓口「簡裁民事事件受付」に向かうのである。

提出窓口「簡裁民事事件受付」の係官は、「相談窓口でチェックして貰いましたか?」という確認をした後、再チェックという事で、もう一度訴状を読み込んでくれた。
暫く、後ろのソファに腰掛けて待っていると、読み込みが終わったようで名前を呼ばれた。短い時間であるが内容を理解してくれて、考え方の違いを指摘してくれた。先ほどの相談員さんが気づかなかった部分に指摘が入り、通常の裁判の考え方を教示していただいた。
内容が少々入り組んでいて、修正箇所が多くなるので、二重線で訂正するより、出直して訴状を作り直した方が良いというアドバイスをいただいたのであるが、二度手間を渋っていると、郵送して貰えれば受け付けるという事なので、持ち帰る事にした。
今回の訴状提出も着手するまでは面倒であったが、やってみると窓口担当者が皆親切で、新たな勉強にもなり収穫の多いものになった。

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