LCC&レンタカーの旅(長谷寺参拝)⑤

旅行2日目、この日の目的は長谷寺参拝である。旅籠屋・奈良針店からは、車で約20分で到着する。山深い峠の道を越えるルートであるが、立派な道路が出来ている。日本は田舎ほど道路が整っていて風景とのギャップでそれが際立つ。美しいとも言えるが、自然の景観を壊しているとも言える。また、税金の使い方がどうなのかという事も考えてしまう。峠から下って谷あいの門前町に到着すると急に道幅は狭くなる。例によって民間駐車場が沢山並んでいるが料金はどこも500円で長谷寺直営駐車場と同じ料金である。参拝後に食事や買物をするのではなく参拝するだけなら仁王門に近い直営駐車場が良い。
仁王門をくぐると長い長い石段が続く。前半は緩やかな勾配で逆に歩きづらいが中盤以降勾配が増して行く。本堂に到着すると南側に開けた緑の山々の景色を見渡す事ができる。

今回は受付でご供養をお願いした。本堂脇の待合室でお茶をいただきながら暫く待つと11時から法要が始まるという事で本堂に通された。板敷の上に赤い薄手のカーペットが敷かれており、単にその上に座るので、お経の長さによっては足が痛くなりそうだ。平日の為、客は5組である。お経の中で供養の為に戒名を唱えていただいたのであるが、妻は良く分からなかったという勿体無い結果となった。お経の後でお茶の接待が可能という事だったので受付時にお願いしておいたところ、Hさんという若い修行僧さんが控え室手前で待っていてくれた。彼が本日の案内役として我々に付いてくれて、長谷寺の中を案内してくれるとの事である。本堂の地下部分におりて菩薩像の足元をさすらせていただき願い事をする。この長谷寺式十一面観世音像は、木製の金箔貼りだそうで過去に落雷により7度燃えて、現在のものは8代目だそうである。その昔は本堂はなく外気に直にさらされていたそうなので、金箔の金属成分が落雷を呼んだのだろう。それにしても、真下から見上げるとその大きさと重量感に圧倒される。本堂の裏手に回るとご本尊の小型版が安置されている。昔はご本尊が秘仏で一般公開されていなかったので、参拝者はその小型版を拝んでいたそうだ。本堂を一周して外に出て、表舞台に立つと京都の清水寺の舞台のような解放感があり、近隣の山々の緑を見晴らすことができる。ここで記念撮影のシャッターを押してもらった。その後、五重塔、納骨堂を見学して、麓にある本坊に向かう。道すがら案内役のHさん自身のことを尋ねると彼は東京出身で、ここに来て2年間の修行をする予定であるとの事。その後は実家のお寺に戻って、ゆくゆくは後を継ぐ予定なのだそうだ。大学4年間勉強して僧侶の資格を得ることは出来るのだが、ただそれだけで後を継ぐのでは檀家さんたちが納得しないので大学卒業後直ぐに長谷寺に修行にきたとの事である。東京のT大学では真言宗各派の学問だけでなく仏教全般について学び、各宗教、各派のお寺に短期修行に出る授業もあるそうだ。そんな話をしているうちに本坊に到着した。ここは一般の人は入れない場所であるが、特別にこの中も一通り案内していただき、大広間や玉座の間なども拝見した。最後に応接室に通していただき、上司と思われるご住職からお茶のご接待を受けた。ご住職は分厚い知識がほとばしり出てくるような話術の持主で、真言宗豊山派の歴史だけでなく、弘法大師まで遡った真言宗、さらにはそれ以前の長谷寺及び宗教について機関銃の様に固有名詞を発射しながら説明して下さった。聞いているうちは、なるほど、なるほどと新しい知識を得たつもりでいたのであるが、脳みそのキャパをオーバーして、話を聞き終えた後にはその固有名詞の半分以上は思い出せない。後で復習をしなければ勿体無いが、大変な時間と労力が必要となりそうだ。こんな展開になるのならスマホのボイスメモをオンにしておくべきであった。思いがけない有り難い体験をさせていただき充実した思いで長谷寺を後にした時には午後2時になろうとしていた。
この日は、午後から奈良にとって返して観光をするつもりでいたので、ナビを東大寺にセットして大急ぎで奈良に向けて車を走らせた。長谷寺の参道の食堂で食事をしたかったのであるが、そこで食べていると夕方になってしまいそうなので諦めた。長谷寺の住所は奈良県桜井市初瀬であるが、脇を流れる川が初瀬川と言い、奈良の都に流れ出て、大和川につながり、最終的に大阪府堺で大阪湾に注いでいる。その昔は奈良の都もしくは堺の街から船を仕立ててこの川を遡り長谷寺詣でがされていたのだそうだ。またその先、山を越えれば伊勢神宮へ繋がる立地である為、それが古くから長谷寺を栄えさせた理由でもあるそうだ。

その初瀬川に沿う初瀬街道を下って、途中、天理市街を抜ける時に和食のさとが街道沿いにあったので、サクッとランチをした。海鮮丼の中の脂質が高いネタチェンジ対応していただいた。感謝です。

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