12番札所「焼山寺」で心洗われる。 <思い立って四国お遍路八十八ヶ所>⑨

12番札所「焼山寺」は、11番「藤井寺」からの直線的方角は南西であるが、車で行くには東方向へぐるっと迂回して国道438号線を通る約40kmの道のりとなる。迂回中は市街地を走る事になるが、県道43号線に入り、鮎喰川を渡って暫く走ると険しい山道になってくる。この山は「お遍路転がし」と言われるかつての最難所なのである。車でつづら折りの山道を登っていてもかなりの急こう配なので、徒歩で「藤井寺」から直線的に登る旧道はどれだけ険しい道なのかが想像できる。この車道を歩いて登っている人も見かけたし、自転車で登っている人もいた。自転車で登るにもギアを軽くしてゆっくりでないと登れない。自転車を降りて押して歩いている人もいた。彼らは今日中に境内まで到着できるのだろうかと心配になる。到着しても帰りの山道は厳しいだろうから宿坊で一晩休むのだろう。山道をどんどん登って行くと杉の大木が立ち並ぶ厳粛な雰囲気になってくる。この日はずっと曇り空なので、杉の木立の中を白い霧が漂っており幻想的な風景が見られた。思わず車を停めて窓を開けエンジンを切ってみる。清浄な空気が体の中に入ってくるような気がした。さらに登って行くと木立の切れ間から下界の景色が眺望できる。晴れている日であればどれだけ素晴らしい景色なのだろうかと残念か気もする。しかし霧のかかったこの雰囲気もなかなか得難いものがある。頂上近くの駐車場に車を停めて砂利道を暫く歩くことになる。杉の大木を間近に見ながら歩いているとお遍路を廻っているという実感が湧いてくる。車で廻っている我々でもこんな気持ちになるのであるから、歩きお遍路の人達の感動は如何程の物かと想像する。山門をくぐり本堂に近づくに従い厳粛な気持ちになってくる。こんな険しい山の上にあるにもかかわらず、立派な本堂と大師堂が佇んでいる。鐘を突かしてもらうと美しい音色が山に響き渡った。このお寺は出来れば時間を多めにとって訪問したい所であるが、われわれの行程からすると未だ後5件廻らなければならないので、納経所で御朱印をいただいたら、帰りの砂利道はダッシュで駐車場に戻った。下り坂で自転車の人、歩きの人とすれ違ったが、行きにすれ違った場所から大きく進んではいない様に思われた。やはり現代でも本当に難所である。

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第12番<摩蘆山 焼山寺 正寿院> まろざん しょうざんじ しょうじゅいん
本尊:虚空蔵菩薩
開基:役行者小角
真言:のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありゃきゃ まりぼり そわか
宗派:高野山真言宗

駐車場:案内板有り、境内まで徒歩10分 納経所:本堂手前下左手
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