カヌーズ・ポイントでサーフィン <ハワイの風に吹かれに行く>⑱

考えると、もう残りは正味1日だけだなあ、早いなぁと思い、「最後にサーフィン行こうか」と妻を誘ってみるが、「私は行かない、一人で行っていいよ」という返事であった。連日の疲れが出てきているのかもしれない。妻を残して1時間だけサクッとサーフィンして来ようと思い、サッと着替えて部屋を出る。どこでやろうかと考えたが、ここのところカヌーズ・ポイントの方が風を交わす分良い波が入っている様なので、ロイヤルハワイアンセンターを早足で抜けてポイントへ急ぐ。
カヌーズポイント前のレンタルボードショップ「スター・ビーチボーイズ」はポイントの目の前の一番メジャーなショップである。ボードの品揃えも多いが、回転が速いためか、ボードはどれもボロイ。1時間借りたいと言うと10ドルとの事。アメックスカードも利用可能であった。

それにしてもこの料金設定は非常に良心的である。観光地の場合、駐車場でも何でも立地が一番良い所は料金も高いはずであるが、このショップは逆に他よりも安い。ただ綺麗なボードでサーフィンしたい人にはお勧めできない。殆どのボードがサーフテックであるが、それでも水を吸って重くなってしまっているだろうというくらいガタガタに傷がついている。逆に言えば、ぶつけることを気にしながらサーフィンしなくても良いので気は楽である。ショートボードも数枚あるがどれもシングルフィンである。ここの波質ならそれが一番合っているのだろう。一枚だけウレタンフォームのボードがあったので、それをピックアップした。手に取ってみると置いてあるときに見た印象と違い6フィート以上の長さがあり厚みもあって重い。しかしここに置いてあるボードの中では一番ノーマルボードに近い形である。リーシュコードがついていなかったので、他のボードから外して付け替える。会計を済ませた後は、スタッフが面倒を見てくれるわけではないのでセルフサービスで勝手にボードを持って海に入っていけば良いというシステムだ。ちなみに返却時も特に時間をチェックしたり名前をチェックしたりなどという事は何もなく、自分でボード置き場に戻して帰っていけば良い。ただ、タオルとか着替えとかを預かる場所がフロント脇の台の上に無造作に置くだけでサンダルは砂浜に脱ぎ捨てというシステムなので、少々不安はある。出来るだけ手ぶらに近い形で来た方が良い。

「スター・ビーチボーイズ」の浜辺から海に向かって右手側に人が集まっているポイントがカヌーズポイント、左手側少し奥に人が集まっているポイントがクイーンズポイントである。まずは右手のカヌーズに向けてパドルアウトする。カヌーズはワイキキ周辺で一番込み合うポイントであるが、波の割れるポイントが横にも縦にも広いので、人がバラけていることも多く、ポジションを見極めれば波をキャッチすることが出来る。

波の割れているところまでたどり着くと、土曜日の為なのか日本人らしき若い人たちの比率が高い。気持ち的にローカルに遠慮しながらサーフィンする事になるので、ポイントの端の方に日本人が集まるのだろう。カヌーズポイントの陸から見て左側の端に集まっている集団の少し右側インサイドで波待ちをする事にした。この日は1時間だけと決めているので割とアグレッシブに波を取りに行った。9割以上がロングボードなので自分より少し沖からテイクオフしてくるが、同じ波のバックサイド側をいただく作戦である。

カヌーズは人が多いのが常態なので、基本的に欧米人はガンガン前乗りしてくる。また逆に前乗りされても、文句を言う人は少ない。半分くらいの人は真っすぐ進むだけなので一本の波に3人以上同時にテイクオフして仲良くライディングするというのが基本の様だ。しかし、波が良くなれば状況は変わってきて、通常通りルールに従わずに前乗りなどするとトラブルになる時もあるのだろう。

この日は、そんな状況なのでバックサイドオンリーで暫くサーフィンしていた。少し場所を変えようかとクイーンズポイントを見るとワンサイズ大きい波が割れている。人もこちらよりは少ない様だ。「チャンス!」と思いそちらのポイントまでパドルで移動していく。距離にして50mくらいだろうか。到着すると20人くらいのサーファーが波待ちをしており、日本人のオジサンロングボーダーが2人いた。日系人でもローカルかビジターかは何となく雰囲気で感じるものである。「こんにちわ」と軽く会釈してみるとやはり日本人であった。会社の同僚の結婚式に出席するためにハワイに来て、ついでにサーフィンをやっているのだそうだ。かなりの上級者で、どちらがメインの目的で来ているのかは怪しい。

クイーンズポイントでは、パドルで移動してきて到着した瞬間にウェルカムウェイブ的に良い波が来て乗れたのだが、その後は全然乗れない状態が続いた。後で考えると最初に来た波が良かったので、その見せ球に釣られて次の良い波を待ちすぎたのだと思う。どうもリズムが合わないと思い、時間も無いのでもう一度カヌーズに戻って何本か乗ったら帰ろうと決めて、またパドルで戻った。

カヌーズに戻ってみると、波数はこちらの方が多い感じである。小ぶりであるが何本か乗ることが出来たので上がることにした。最後の一本はバックサイドであるが結構インサイドまで乗れる波であったので大満足である。

やはりサーフィンは海に入ってみないとわからないものである。妻にもここで入らせれば良かったなと後悔し、次回のハワイでは「スター・ビーチボーイズ」でボードを借りてカヌーズポイントでサーフィンするというパターンで行こうと決めた。

続きはこちら「夕暮れ時のワイキキ散歩」