裁判所から仮差押決定の通知が特別送達で送られてきた。

いきなり、何の縁もゆかりもない他県の裁判所から特別送達で分厚い封書が届いた。

何かの間違いだろうと思いながら、催告書を読んでいくと、賃貸不動産に以前に入居していたテナントの敷金に対する仮差押をしたという通知であった。

2年前に既に退去したテナントであるので、敷金返還債務は既にない。

従って、「債務が無い」にチェックをして、陳述書を返送するだけの作業で済んだ。

ここで、裁判所から送られてきた「第三債務者に対する説明」が丁寧で分かりやすかったので、以下にご紹介致します。

1. 債権仮差押決定とは?

今回あなたに送られた債権仮差押決定の当事者の関係は、下の図の通りですから、まず、決定書の「当事者目録」に書いてある名前をそれぞれ当てはめて内容を確認してください。

■債権者は債務者がお金を払ってくれないので、債務者があなたに持っている債権の仮差押を裁判所に申し立てました。そこで、裁判所がその申し立てを審査し今回の仮差押決定が出されたわけです。その際債務者があなたに対して仮差し押さえ債権目録に記載されている債権を有しているか否かは審査していませんので、あなたが債務者に対して債務を負っていると裁判所が認定したわけではありません。

■ところで、あなたのことを第三債務者と表示していますが、これは法律によって定められている呼び方です。あなたが債務者に債務を負っている立場にあるためにそのように呼ぶだけで、債権者と債務者との間のお金の支払いをめぐる争いには直接は関係ありませんのでご安心ください。しかし、この仮差押決定があなたに送られたことにより法律の規定に従って一定のことを行わなければなりません。そこで、次にそのことを説明しますので、その説明をよくお読みください。

2. これからの手続きは?

(1)あなたは、「仮差押債権目録」に書いてある債務を債務者に負っていますか?

はい⇒(2)(3)(4)に進んでください。

いいえ⇒(2)に書かれたことをしていただければそれで終わりです。


(2)送られてきた債権仮差押決定書に陳述書と言う用紙が同封されている場合、これに必要なことを書き込んで2通作り、同封の返信用封筒で債権者と裁判所に1通ずつ送ってください。

(3)あなたが債務者に負っている債務は、今後は、この決定の「仮差押債権目録」に書いてある額に達するまで債務者に払ってはいけません。

(4)しかし、あなたに債務を支払う義務がなくなったわけではありませんので、その支払いについては次のようにしてください。


ア. あなたが債務者に負っている債務に対する債権仮差押決定が今回送られてきたものしかない場合

あなたは債務者に支払うことなく自分の手元に留めておいてください。また供託することによってその支払い義務を免れることになります。この場合にあなたが供託をしたときは事情届及び供託書正本を提出する先は今回送られてきた仮差押決定を出した裁判所です。

イ. 今回送られてきた以外にも債権仮差押決定が送られてきている場合

アと同様ですが、あなたが供託をしたときは、事情届及び供託書正本を提出する先は最初に送られてきた仮差し押さえ決定を出した裁判所です。


ウ. 税務署等から差し押さえの通知を受けている場合

差し押さえをした税務署等にお尋ねください。

エ. 今回送られてきたもの以外にあなたが債務者に負っている債務に対する債権差押命令が送られている場合

この仮差押決定のほかに債権差し押さえ命令を受け取っている場合で、両方の差し押さえの額の合計が300超えるときは供託しなければなりません。そして供託をすればあなたはその支払い義務を免れることになります。あなたが供託をしたときは、事情届及び供託書正本を提出する先は、最初に送られてきた差し押さえ命令を出した裁判所です。

※供託をしたときは同封されている「事情届」と言う用紙に必要なことを書き込んでこれに供託書正本を添えて提出してください。なお供託については裁判所とは別に法務局で取り扱っていますので最寄りの法務局にお尋ねください。
(注意)例えば、A裁判所から仮差押決定が送られ、B裁判所から債権差し押さえ命令が送られてきた場合は、送られてきた日の先後にかかわらずB裁判所に事情届と供託書正本を提出していただくことになります。