タイムシェアとリゾート会員権

この記事は、実際にヒルトン・グランド・バケーションズ・クラブのタイムシェアを購入して、利用して、価値があるのか、意味があるのか、コスパはどうなのかという評価と、その他の選択肢について検討している人間として、口コミ的な意味で書いています。

時間的な自由を得て、いつでも、いくらでも自分の好きな時に旅行に行ける様になったが、家人の都合と好みとの調整をする必要があるので完全な自由では無い。旅行代金がピークとなる時期にわざわざ旅行する必要は無いので、旅行費用は抑えられるのだが、さらにお得に旅行したいという欲求はある。ヒルトンのタイムシェアを購入して、これを毎年上手く活用する事で、かなりそれを実現出来ていると思う。またヒルトンVISAゴールドカードの所有でヒルトンホテルグループでの優待も享受出来る様になった。しかし、これはヒルトングループ内に限る事なので、旅行先にそれが無い事も多い。ヒルトンを目的地として旅行するのも一つの方法であるが、他の選択肢もあれば尚良い。

機会があるとウィンダム、マリオットなど他のタイムシェアの説明会も参加したりして、つらつらと他のリゾートを検討している。

それもあって先日リロバケーションズの軽井沢の施設を体験宿泊したのであるが、いくつかの点で購入は見送った。
ヒルトンタイムシェアの場合は不動産としての権利の登記がなされるが、リロバケーションズの場合はそれが無い。つまり会社が倒産すれば、利用者の権利は消えてしまうのである。現時点でのリロホールディングスの業績は好調の様であるが、民間企業には何が起こるかわからない。何かあった場合に泣き寝入りしなければならない立場というのは癪である。日本にはタイムシェアという形の不動産登記が無いので難しいところではあるが、何か方法を考えて欲しいものである。ただ、それ以前に立地と建物グレードが一番大きな問題であった。

リロバケーションズ軽井沢のお隣にあるエクシブについては、立地は別として施設は豪華である。機会があれば一度宿泊してみたい。
西武グループが販売している軽井沢のプリンスバケーションクラブについては、上記2施設と比較すれば立地は良い。また、権利については共有持分の登記をする様である。但し35年の定期借地権という事なので、そこで権利は無くなる。販売価格が1口1300万円で1棟あたり12口に分割されているようだ。不動産価格的には1棟の定期借地権付き建物が1億5600万円の計算になる。建物面積は81㎡(24.5坪)なので建物代金はせいぜい3500万円程度である。土地賃借権対象面積は29,000㎡で、施設は15棟あるので、1棟あたりの土地賃借権対象面積は1,933㎡(584坪)となる。上記の1億5600万円から建物代金3500万円を引いたものが土地価格だとすれば1億2100万円となり坪単価20万円である。感覚的に一般的な土地相場は所有権でも坪単価10万円がマックスではないだろうか。土地1億2000万円であれば、旧軽井沢でも充分良い物件が見つけられそうな予算である。販売経費がかかるからある程度割高になるのは仕方が無いが、魅力を感じさせない値付けである。しかし、パンフレットの販売価格内訳によると「販売価格13,118,000円(税込)
(内訳:会員権利金5,076,000円、土地権利金168,000円、建物代金7,074,000円、営繕充当金300,000円、会員資格保証金500,000円※会員資格保証金は退会時に無利息にて返還いたします)」となっている。建物代金は12口分で計算すると84,888,000円(坪単価346万円)である。先程の試算では建物代金3500万円であるから5000万円も乗っけている事になる。良くこれでセールス担当が顧客に説明できるなあと感心してしまう程の金額である。逆に一度セールスを受けてみて、どんなトークをするのか聞いてみたい気持ちになる。

ヒルトンのタイムシェアを買う時にも高いと思ったが、ワイキキのビーチフロントの物件という特殊性を考えると説明が出来る金額であった。

プリンスバケーションクラブ軽井沢浅間の実際に出来上がった施設が素晴らしくて、この権利を購入すれば、1年のうち30日分をフリーに使えるのであれば良いのであるが、購入費用以外に毎年諸々の経費が発生する。年会費・土地賃借料・営繕積立金の合計で年間約17万円である。驚いたのが、それとは別に施設利用料金が1室1泊あたり23,760円(入湯税別)必要だという事である。権利の30日分を使うと712,800円にもなる。これなら普通にホテルに宿泊するか、別荘をレンタルする方に魅力を感じる。ヒルトンの旧軽井沢・桔梗・キュリオコレクションなどは1泊あたり30,000円前後で予約できるのだ。

さらにタイムシェアで問題となるのが「行きたいときに予約が取れるのか」という事である。1棟を12口に分けて販売した場合、軽井沢の特性として利用者は夏季に集中するだろう。完売前であれば予約も取れるであろうが、完売したら予約が取れないのは誰が考えても分かる。その為に東急ハーヴェストクラブとの提携で施設の相互利用が出来るようにして、利用を分散させようとしているのだろう。

もう一つ気になるのは、営繕積立金が年間で3,600円しかない事である。12口合計しても43,200円である。最初の購入時に営繕充当金300,000円を取られるので12口で3,600,000円は積み立てられているのだが、外壁の修繕とデッキなどを直したりするとあっという間に消えてしまいそうである。その他にも敷地の共用部分の修繕などどんどん吸い取られていくのではないだろうか。数年すればこの営繕積立金が数十倍になるであろうという事は予測できる。

私がヒルトンのタイムシェアを購入した時の理由としては、毎年2回ハワイに行きたいと考えているので、タイムシェアを買う事で行くキッカケを作れるだろうと思ったことだ。結果的に、これは我が家にとって良かった。それにヒルトンの場合はリゾートの交換先が比較的豊富にあるので、旅行先を変更する楽しみもある。

ハワイ以外の旅行先は、いろいろ幅広く選択肢を持ちたいので、特定のリゾート会員権なりタイムシェアを購入したとしても交換先が沢山あるものが良いと思っている。
購入したリゾートが交換機関であるRCIに加盟していれば全世界のリゾート施設と交換して旅行出来るのだが、手数料が結構かかるのである。余計な手数料を支払うなら普通にホテルを予約した方が良い。やはりその会社の自前のネットワークが幅広くないと使い勝手が良く無いと思う。ヒルトンの場合でも自分が持っている元々の部屋を1週間予約するホームウィーク予約なら手数料はかからないが、その他の部屋または期間などの条件を変えて予約するクラブ予約になると8000円くらいの手数料がかかるのだ。我が家にとっては、ヒルトンのネットワークと地域的に被らないタイムシェアネットワークを持った会社があれば最高なのだ。ヨーロッパ方面に強い会社があれば魅力的なのだが、なかなか見つからない。アジアで高級リゾートを展開するアナンタラ・バケーション・クラブはヒルトンとも提携しているので、次に検討してみたいと考えている。(その後、提携解消したようです)

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