LCCの旅 成田→福岡→沖縄→成田

この記事は、LCCを利用してお得に福岡・沖縄を旅行した時の感想・評価・コスパなどについて、口コミ的に書いています。

ちょっと福岡に行く用事が出来たので、スカイスキャナーで航空券を検索してみると、成田⇔福岡の往復運賃に数千円足すと沖縄にもついでに行けてしまうことが分かった。

2月から3月にかけては、沖縄旅行は未だオフシーズンなのでホテル代も安い。夏のハイシーズンに比べると3分の1くらいの宿泊費用で宿が取れそうである。

運賃とフライトの時間帯を考慮して、成田→福岡をジェットスター、福岡→沖縄をピーチ・アビエーション、沖縄→成田をジェットスターで予約した。

車はいつものサンパーキングに預けて、成田空港第2エアターミナルまで送迎して貰う。この日は珍しくサンパークに他の顧客がおらず我々がバスに乗り込むと直ぐに出発となった。ここまでスムーズに来て時間が余ったので、第2ターミナルのIASSラウンジで小休止する。その後、第3ターミナル行きのシャトルバスに乗り込んだ。

第3ターミナルのジェットスターのカウンターに到着すると長蛇の列ができている。ある程度想像していたが、それを越えた列であり並んでいても遅々として進まない。今回は預け入れの荷物があるので並ばないわけにはいかないのである。妻はお腹が空いたと言うので、自分だけ列に並び、先にフードコートへ行ってランチを食べさせるようにした。

フライトの30分前になって、ようやく福岡行きの便の搭乗者を優先することになりチェックインすることが出来た。預け入れの荷物の重量に余裕があったので当初予約時はスーツケース1個だけ預ける予定だったが、2個とも預けることができて身軽になった。

成田のジェットスターのチェックインカウンターは各方面への旅行者が集中するのにも関わらずカウンター数が足りず非効率的である。チェックイン開始と同時に並んでもフライトギリギリになってしまう可能性もある。やはり預け入れ荷物は無くして先に宅急便で送ってしまい、手荷物だけで搭乗する方が賢い利用方法であることを痛感した。

フードコートも混んでいたらしく、妻は私が合流した時にようやくランチを食べ始めたばかりであった。フードコートの店の中では何故か長崎ちゃんぽんの店だけが長蛇の列であった。ここで列に並ぶ時間的余裕はないので私は一番空いている左端のカフェでサンドイッチとコーヒーだけにして早めに食事を終わらせた。この分だと保安検査場も混んでいる可能性が高いので、残念だが妻にはランチを途中で切り上げて貰って先に進むことにした。

保安検査場に到着すると、「ジェットスター福岡行きの便のお客様はいらっしゃいますか~」と呼びかけが始まっていた。その担当係員に申し出ると優先レーンに案内されたが、「15分前に搭乗締め切りになりますので、その際はご了承ください」と脅された。ゲートは保安検査場から一番遠い場所である。妻に文句を言われながら必死に走ることになった。それでも何とかギリギリ間に合い搭乗することが出来た。

座席の配列は、3-3なので、トイレに立ちやすいことを考えて通路側から2席を予約したのであるが、フライト時間が短い為、トイレに立つことも無かった。それであれば富士山を見るチャンスのある窓際を予約しておけば良かったかと少し後悔した。

座席の足元スペースは、フライト時間が短いので特に窮屈を感じることは無かったが、前席がリクライニングして来たときには狭苦しさを感じた。この狭い座席で後ろに断りなく席を倒す人がいる事にも驚きであった。私はリクライニングするとかえって腰を悪くする様な気がするので、シートは立てたままでも一向にかまわない。国内の移動ならLCCでも充分ではないかと思う。

福岡空港に到着し荷物を受け取ると、喉の渇きを覚えたので、「ラウンジTIME」で一休みする。ここはダイナースカードで入れるカードラウンジであるが、カードラウンジの割には内容が良いと思う。成田空港のそれよりはマシである。

地下鉄から西鉄に乗り換えて「西鉄久留米駅」に向かうと丁度夕方のラッシュ時間が始まったところで、スーツケースを転がしながら車両に乗るのが申し訳ない感じである。急行列車なのでガンガン飛ばすが立ったままだと急ブレーキに対応できそうになく神経を使う。やはり旅行者が通勤電車に乗るものではない。

西鉄久留米駅を降りると辺りは暗く小雨が降っている。この日の宿である「東横イン」を探すが駅前ロータリーからは看板が見えない。スマホで確認するもGooglemapの現在位置が少々ずれるのでたどり着くのに少し遠回りした。最短ルートを通れば雨に濡れる時間は2分程度で済む距離である。東横インは比較的新しい建物で、フロントスタッフの対応も良く快適に過ごせた。web予約の段階ではツインの部屋は無かったのだがチェックイン時に確認したところ一部屋空きがあったので1500円程度の追加で変更する事が出来た。ツインの部屋はこの手のビジネスホテルにしては広くて、バス・トイレも別になっていたので使いやすい。洗濯機は1Fフロントの横にある。無料のサービス朝食が1階のフロアで提供されるのであるが、開始時間の7時に行ってみると既に長蛇の列が出来ていた。その全てがサラリーマンのオジサンである。参ったなぁ、どうしようかと考えていると、意外にも行列はサクサクと進む。そして食べた人は次々に席を立つ。皆平均5分位で食べ終わっているようだ。彼らはその後直ぐにチェックアウトして隣接のタワーパーキングから車を出して仕事に出かけて行く。その勤勉さには頭が下がる思いである。
少し時間差を取るとゆったりと朝食を頂くことが出来た。ここの朝食はビジネスホテルの朝食のクオリティとしては、下の中くらいかなぁと思う。でも無料なのだから文句は言わない。
その後、殆どの客がチェックアウトしたガランとしたホールでゆったりと食後の珈琲をいただいた。

次の宿泊先は、ヒルトン福岡シーホークである。
夕方から台風並みの嵐になる予報なので、予定を切り上げ少し早めにホテルに到着した。3時頃だったが、部屋は用意出来ていて直ぐにチェックイン出来た。ヒルトンVISAゴールドカードによるゴールドステイタスのおかげでエグゼクティブフロアにアップグレードして頂けたのは有り難い。エグゼクティブラウンジで軽くサラダとスナックをつまんでから食事に行くつもりであったが、窓の外では稲光が激しく、躊躇しながら色々と食べ物をつまんでいるとお腹が適当に満たされてしまった。ホテルの分厚い窓ガラス越しでは風雨の様子が分からないが、落雷時の閃光が尋常では無いので、この日ラウンジが利用出来たのは助かった。テーブルは満席に近い状態で他の客達もここで夕食を済ませてしまう勢いのようだ。無償の客達にもかかわらず、スタッフの接客態度は素晴らしい。お皿が空くとさりげなく片付けてくれるので、気持ち良く食事が出来る。海外のホテルならチップを多めに置かなければならないだろう。
お部屋は福岡タワー側であったが眺望良く、広さも適度にあり満足いくものであった。夕食後にホテル内のショップを散策すると大陸からの団体さんが押し寄せていて、ちょっと異質な感じがする。マカオのヴェネチアンホテルにバスで乗り付ける大陸からの団体さんが思い出された。翌朝の朝食はエグゼクティブラウンジではなく、4階のレストラン「シアラ」に足を運んでみた。レストラン入り口にはズラーッと30人くらいの列が出来ており、また例の団体さんである。参ったなぁと思いながら入り口にあるボードを見ると「個人のお客様」と「団体様」とを分けてある。個人のボードの前に立つとスタッフが直ぐに来て対応してくれた。中を覗いてブッフェの混みようを見て怖じけずいたので、料理の種類は少ないらしいがエグゼクティブラウンジに行って食べようか迷っているとお料理だけでも見て行かれたらどうですかと促してくれた。その言葉に押されて案内を乞う事にした。ヒルトンのスタッフはこの辺りの気遣いがよく出来ていると感じる。無線で「エグゼクティブ2名様」と案内係のスタッフに引き継いでいたので多分エグゼクティブフロアの客は団体から離れた静かな席に通すことになっているのだろう。一応、落ち着けるテーブルに案内していただけた。ただしブッフェは戦場のようになっており、ご飯を盛っている男性の後ろに並んだところ、横から斜めから人が次々と割り込んで入って来くるので、次が自分なのになかなかそこに辿り着けない。仕方なく最後には前の人がしゃもじを置いた瞬間を狙って体を入れてブロックし、手を伸ばしてそれを奪い取った。すると、けたたましく文句を言ってくるが関わらないように無言でご飯を盛ってその場を後にした。何で朝食で生存競争をしなければならないのか、折角の良いレストランもトホホの感じである。前日の東横インの朝食と比べると何倍もリッチでロケーションも素晴らしいにもかかわらず客の精神は真逆である。あの整然とした食事風景と目の前のカオスとの落差に大陸との文化の大きな違いを見る思いだ。日本人としては、あの東横インの朝食の秩序はこれからも残って行って欲しいと思うと同時に、このグローバルの世界でも勝ち抜いていく力を持たなければ、などと思った。
ホテルから空港へはリムジンバスが出ているとの事なのでフロントに時間を確認するために立ち寄った。リムジンは直行ではなく他のホテルにも立ち寄って乗客をピックアップしていくので、渋滞に巻き込まれる可能性があり空港到着時間が読めないとの事であった。タクシーで向かうのが時間的に確実だそうだ。やはり事前に確認して良かった。

次の行程、福岡→沖縄はピーチ・アビエーションを利用する。ピーチの機内持ち込み手荷物は10kgなので今回はこの範囲に収まっている。空港の自動チェックイン機で手続きが必要を済ませたら後は保安検査を受けてゲートに向かうだけである。時間の余裕があったので、また「ラウンジTIME」で一休みさせてもらった。保安検査では裁縫キットのハサミとカッターが引っかかり没収され時間を取られた。いつもは預入荷物に入れてある物だが迂闊であった。今回のゲートも一番端のゲートなのでチェックイン後に長い距離を歩かされる。LCCを利用する場合はこの移動時間を考慮しておかなければならない。ゲートにギリギリの時間で到着したが、利用する飛行機の到着遅れの為、搭乗開始されていない。30分遅れるようである。アプリで確認した時は定刻通りだったのにアップデートされていないようだ。この辺りを正確にやってくれると有難いのであるが、これも人員不足なのだろうか。ピーチに乗るのは初めてであるが、那覇空港の到着・搭乗ゲートが離れた場所にあると事前の情報を得ていた。到着すると確かに倉庫に少し手を加えてゲートとして使っているのが分かる。本館まではシャトルバスがあるが第一便に乗り遅れたので、次の便が来るまで10分以上待たされた。到着時は未だ良いが出発時にこのゲートだと結構きついなと思う。現在建設中の建物があるのでいずれはそちらに移転するのだろう。シャトルで本館に到着し、水分補給の為、「空港ラウンジ華」に立ち寄った。長居はせず、直ぐに4階のレストランに移動し腹ごしらえをした。その後「ゆいレール」の駅に向かう。レンタカーは空港で借りずに「おもろまち駅」まで移動してから借りると市内の渋滞を避けることが出来るとの事であったので今回は試しにそのようにしてみた。モノレールの車窓から見ると今日この時間帯に限っては渋滞は起きていないようなのであまり違いは無かった様であるが、「ゆいレール」は初乗車なので車窓と地元の乗客の様子を楽しむことが出来た。「おもろまち駅」を降りて直結するDFSに入ると直ぐに各社レンタカーのカウンターが並んでいた。今回はオリックスレンタカーを予約している。手続きを済ませて実際に車を置いている駐車場まではDFSの中を延々と歩かなければならない。ここは日本人が買っても免税になるそうである。流石、沖縄に対する政府の配慮は普通ではない。

レンタカーに装備されているナビは使えない場合が多いが、スマホのデータ通信量を温存したいのでナビをセットして先ずは「首里城」へ向かう。沖縄旅行は今回で6回目であるが、今まで「首里城」をスルーしてしまっていたのである。今回日程的に初日の訪問先として丁度良かったので、基本を押さえるために訪問することにした。べたな観光スポットであるが平日の午後という事で比較的空いていて、ゆったりと見学ができた。館内の見どころのスタンプラリーがあるのでお遍路を思い出しながらスタンプを押していった。今は復元されたものであるにせよ当時の王朝の力を思わせる壮大な建築である。それにしてもこの平和な南国の地で何組もの部族が争い領土を統一したことを思うと人間は生まれながらに争うように出来てしまっているのだなあと思い知らされる。沖縄やハワイでさえも部族同士が争うのであるから、中東やアフリカで紛争が終わるわけがないと思わなければならない。

この日の宿泊先は、「ヒルトン北谷リゾート」であるが、首里城から高速を使って向かうつもりが、レンタカーのナビが途中で切り替わり、いつの間にか一般道ルートを走らされ軽い渋滞に巻き込まれてしまった。東シナ海に沈む夕日を見たいので少々気持ちが焦ったが、何とか明るいうちに到着することが出来た。約5年ぶりに訪れた沖縄であるが、北谷のリゾートエリアにはヒルトン以外にもいくつかの新しい施設が出来ていた。ヒルトンの営業成績も良いのだろう、海側に新たな棟が完成間近である。別ブランドで営業するようである。

ヒルトンホテルの車寄せで荷物と妻を降ろして自分はセルフでパーキングに車を停めに行く。フロントに行くとベルボーイが荷物を持って妻と立っており、何かと思えば9階のエグゼクティブラウンジでチェックイン手続きをしてくれるとの事。ロビーから見える東シナ海の夕日をちらりと見ただけで、エレベーターに乗って9階へ移動した。前日にWEBチェックインの案内メールが届いていたので試しにHPを開いてチェックイン手続きをしておいたのであるが、9階の部屋を自分で選んでチェックインしたつもりが間違って4階を選択していたのかもしれない。フロント係から「アップグレード優先で9階のお部屋に変更させていただきましたがよろしいでしょうか」と確認された。今回もヒルトンVISAゴールドカードのおかげでエグゼクティブフロアまで昇格出来て非常にラッキーであった。オフシーズンなのでダイヤモンド会員さんも少ないのだろう。我々の様に予定が自由に取れる身分の人間はオフシーズンに旅をするに限る。エグゼクティブラウンジのソファに座ってウェルカムドリンクを頂きながら優雅にチェックイン手続きを終えた。ラウンジでドリンクと食事の用意が出来ているとの事であったが、一旦部屋に入ることにした。部屋のカーテンを開けると丁度夕日が沈むところで素晴らしい景色を部屋の窓から眺めることが出来た。ヒルトンの建物の海側にはマリーナがありその堤防の先に波がブレイクするポイントがある。5人くらいのサーファーが順番に波に乗っているが、この日はウネリが弱くショートライドで終わっている。でもポイントブレイクで形の良い波である。マリーナポイントとでも呼ばれているのであろうか。近くにサーフショップもあるようなので、レンタルなども出来るかもしれない。機会があれば様子を聞きに行ってみたい。

一息ついて荷物を片付け、再度ラウンジに向かう。先ほどのスタッフが迎え入れてくれ、ブッフェコーナーの近くに席を取る。ラウンジの窓は全て海とは反対側を向いているアメリカンビレッジの観覧車が見える側である。ラウンジでは軽くサラダなどをいただき、その後車で食事に出かけた。和食の店を検索して行ってみたが外れの店であった。その後イオンで少々買い物をして部屋に戻った。

翌朝は、私としてはエグゼクティブラウンジで朝食をいただきたかったが、妻は品数を優先したいとの事で、3階にあるレストラン「スリユン」に行くことにした。福岡のレストランほどではないが、こちらもやはり大陸からのお客さんが多いように感じる。でも団体ではなくファミリー単位の様で、比較的静かな雰囲気が保たれている。ブッフェから遠い席は、背もたれが高くブースの様になっていて落ち着いて海を眺めながら食事が出来る。ブッフェの内容は種類豊富で良いのであるが、サラダの野菜の種類が少ないのが少々残念である。ヒルトン福岡も同様であったが、米系ホテルは野菜を重要視していないのだろうと勝手に想像した。

ゆったり食事を終えて、ドライブに出かけることにする。時間の余裕があれば、東海岸に出てカヌチャリゾートの先の「やんばるの森」のとば口まで行ってみようかとも思っていたが、出発が遅くなったので諦めて真っすぐ「古宇利島」に向かった。高速を降りて名護市の海岸線に差し掛かると沖縄独特のマングローブと美しい青の海の感じが出てきた。奥武島、屋我地島と橋を渡っていくとサトウキビ畑が広がり、オアフのパイナップル畑と被る雰囲気がある。やがて古宇利大橋が見えてきたのでその手前左側の展望所で一旦車を停めて休憩した。橋の写真を撮るのなら渡る前にココから撮った方が良さそうである。5年前の2月に来たときは殆ど人がいなかったが、この日は結構観光客が来ている。レンタカーは日本人、団体バスは大陸からの旅行者である。古宇利島に渡っても砂浜には人が多い。さらっと砂浜を散歩して、次の目的地「チグヌ浜」に向かった。レンタカーのナビでは出てこないので、Googlemapでナビをしたが、それらしき場所が見当たらず一度通り過ぎてしまった。戻って道端に車を停め、「チグヌ浜」に降りた。小さな浜でどちらかと言うと岩場なので足元には注意が必要だ。他に観光客はいないのでパワースポットと言われる場所からエネルギーをチャージ出来た気がする。次は「古宇利島オーシャンタワー」を横目に見ながらスルーして、島の反対側にある「ハート岩」を目指した。小さな島なのであっという間に到着する。小さな手書きの看板を頼りに右折して海側に降りていくと民営駐車場がいくつかある。一番手前が無人パーキングで料金100円で最安である。その先は係員がいて手招きしているが300円となっている。距離にして数十メートルしか変わらない。当然この無人パーキングを選択して、かわいいシーサーの顔の陶器に100円玉を入れる。海岸へ降りるためのサンダルをご自由にお使いくださいとしてあるので念のため借りて持っていく事にした。「トケイ浜」と「ハート岩」の浜は隣り合っているのだが、歩くと数分の距離がある。良くわからず最初「トケイ浜」まで歩いて行ったが、そこには無料の駐車場があった。先ずはここまで車出来て「トケイ浜」を散策してから、車で先ほどの駐車場まで戻り、次に「ハート岩」に降りていくのが手順として正解である。「トケイ浜」には人がいなかったが、「ハート岩」は記念撮影する観光客で溢れていた。ここの浜は砂が柔らかくて足が潜ってしまい、潮の干満で濡れているので、やはりサンダルを借りてきて正解であった。

次に目指すは「今帰仁村城跡」であるが、そろそろお腹が空いて来たので、その途中で食事をしようということになった。位置的には沖縄ソバ街道が近いので、その道を走ってみてピンと来た店に入る事にした。最初「八重善」に入ろうと店の前で車を停めたが、どうもあまり客が入っていなくて、妻が止めようと言うのでパスして先に進んだ。次に「きしもと食堂八重岳店」が右手に見えてきて一旦通り過ぎたがUターンして、そこで食べる事にした。時間は2時過ぎであったが、流石に有名店なので店内は満席である。我々が食べている間にも来店客は引きも切らない。B級グルメなので味が濃かったがさんぴん茶を何杯もセルフでおかわりして食べた。これが飾らない地元の味なのだろう。その後も喉が乾いて仕方がなかった。今まで食べた沖縄ソバでは国際通りの県庁寄りにある店が自分には一番合っている。
次の目的地、「今帰仁村城跡」までは車で10分くらいで到着した。5年前に初めて訪れて印象に残っている場所なのであるが、当時の記憶と比べると違っていた部分、忘れていた部分がかなりある。記憶というものは自分の頭の中で時間とともに加工されるのだなあと感じた。それにしても、この山の上にこれだけの石を運んで建造物を作るとは気が遠くなるような作業である。当時の王様の絶大な力が偲ばれる。ここもパワースポットの一つである。
次は「備瀬のフクギ並木道」に向かう。普通に地元の人々が生活するエリアであるが、観光客が訪れるようになって駐車場を整備したのだろう。20台くらいは車を停められるようになっている。並木道は途切れ途切れになりながら海岸線を北に向かって伸びていて、歩いていると普通の民家の生活があり、懐かしさを覚えるような不思議な感覚だ。当初ここにあるフレンチレストランでランチをしようと考えていたのだが、立ち寄って見るとお店は既に潰れてしまったようで空家になっていた。次の機会には来てみようと考えていたので残念だ。飲食店を成功させて長く続けるのは難しいのだろう。帰り道は海岸線を歩いて車に戻った。どこまでも遠浅の海である。ここで「モズク漁」をするのだろうか。

丁度ここで4時少し前となった。本日のメイン「美ら海水族館」は午後4時から入場料が割引となるのである。駐車場に車を入れるとこの時間帯でも停める場所を見つけるのが難しい位である。これが帰りには空になっていたので、お昼前後から夕方4時過ぎくらいまでが混雑時間帯なのではないかと思う。入口では「無料の記念撮影をどうぞ」としきりに呼び込みをしているが怪しいのでパスして入場した。この時間でもやはり未だ人が多いので展示水槽の前には人が張り付いていて自分のペースでは進めない。私はそれが苦手なのでさっと見て先に進みたいのであるが、妻がえらく気に入ってしまったようなので1か所づつ牛歩で観ていくのに付き合うことになった。ひととおり進んで大型水槽の前に到着した時、「5時からジンベイザメの餌やりをしますのでご覧ください」とのアナウンスが入った。水槽の上から係員がオキアミを撒くのであるが、それをジンベイザメが豪快に飲み込む姿を下から見ることが出来る。これは見ものであった。これを見ただけで満足である。その後、ジュゴンとウミガメを見て終了とした。園内全てを廻るのは時間的に不可能なので、雰囲気だけ把握し次回時間があればゆっくり来ようと思う。その後、瀬底島にも時間があれば行きたかったのであるが、帰り道が渋滞するようなので寄らずに帰途についた。沖縄自動車道そのものは順調に流れていたのであるが、「沖縄南IC」の出口で大渋滞となっていた。沖縄の高速道路は出入り口で渋滞が発生しやすいように思う。旅行者が多いのでETCの利用率が少ない為だろうか、一般道との接続方法が悪いのだろうか。カーナビは渋滞情報のアップデート機能が弱い様に思うので、Googlemapのナビを確認しておかないと時間の読み違えが生じる。予定より1時間程度帰りが遅くなってしまったので、ホテルに戻らず途中で夕飯を食べることにした。北谷周辺で日本食のレストランを検索するとチェーン店の「大戸屋」が出てきた。旅行しているのにチェーン店で食事をするのも悲しい部分があるが、昨日外しているので、この日は無難に「大戸屋」で済ませることにした。

最終日は、朝から雨となった。沖縄のパワースポットでNo.1と言われる「斎場御嶽」(せーふぁたき)へ行く計画であったが、足元が悪い中、傘をさして歩くのが嫌なので、そこはまた次回の訪問時に取っておくことにして、終日ドライブする事に変更した。従ってチェックアウトの12時までゆっくりするのもアリなので、朝食はまた3階のレストラン「スリユン」でまったりしながらいただいた。11時頃部屋をでて、9階のエグゼクティブラウンジでチェックアウト手続きをして貰い、そのまま暫くラウンジでお茶をいただきながら過ごした。皆さん観光に出かけているはずなので、この時間帯は他に客はいない。この日は「海中道路」を走って「伊計島」までドライブするだけの予定にしたので、時間的余裕は充分ある。スタッフが「クッキーのご用意が出来ましたので、是非どうぞ」と声を掛けてくれた。スナックをいただきながらウダウダしていると1日が終わってしまう恐れがあるので、それには手を付けず、窓の外を見ると小雨になって来たので重い腰を上げることにした。北谷から伊計島に行くには丁度沖縄本島を横切る形になる。一般市街を延々走る形になるので、景色に驚きが無く、妻は助手席で爆睡している。海中道路に差し掛かるところで妻を起こしたが、天候の為、海の色もこの日は冴えない。まあそれでも珍しい海中道路をドライブして沖縄への税金投入の凄さの成果を堪能した。雨中のドライブの為、伊計島はビーチを含めて人が見当たらず寂しい印象を受けたが、夏のシーズンは賑やかなのだろう。優先度は低いが、天気の良いタイミングで訪問する機会があれば、またこの道路を走ってみたいと思う。その後食事をして、飛行機までの時間の余裕があれば瀬長島に寄ってみようかと考えていたが、また例によって沖縄自動車道のICで渋滞があり、少し遅れ気味になって来た。この先でまた予期せぬ渋滞があると空港で焦ることになるので、予定を切り上げ、オリックスレンタカーの那覇空港店を目指すことにした。当初、おもろまち店で返却する予定であったが、観光スケジュールを変更したため、返却店も電話で変更を依頼しておいたのである。エリア内であれば、この変更が無料でできるところは有難い。車の返却後、空港までバスで送ってもらい、早速ジェットスターのチェックインカウンターに向かった。成田空港でのトラウマがあった為、早めに手続きをしたかったのである。しかし、成田行きの便のチェックイン手続きは未だできないとの事で、1時間弱時間を潰さなければならない。またここで「ラウンジ華」にお世話になることにした。出発の1時間半前より少し早めに再度チェックインカウンターに行くと、スタッフが「今日は早めにチェックイン手続きを開始しますのでお並び下さい」と言う。それに従って並んだのだが、結局予定時間より遅れての手続き開始となった。ジェットスターのスタッフはスタンバイできているのだが、保安検査員が到着するのを待っていたようである。移動式の保安検査機械をチェックインカウンターの前に持ってきて、先に預け入れて荷物のチェックを行った。こんなやり方は初めてである。那覇空港は空港整備が追い付いていないのか、もしくは新しい効率的なやり方なのだろうか。無事にチェックインを済ませると後ろには長い行列が出来ていた。もし最後尾であれば、また搭乗時間までの余裕がなくなってあたふたとする事になるのだろう。LCCに乗る時にはこれを想定しておかなければならない。その後、4階のレストランで食事をしてから搭乗ゲートに向かった。余裕を持てば何事も順調である。成田空港には夜10時の到着である。出発した時のフードコートの横を通ってシャトルバス乗り場に向かう時、たった4泊だけの旅行であるが、いつもより随分長く旅行していたような感覚を持った。ホテルを代わると長旅をした感覚になるのだろうか。妻も同じような感覚を覚えたらしい。

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