Country Clubに招待されセレブの生活を垣間見る <マカオ・香港トリップ>㉑

この日の夕飯は、香港の友人がご招待してくれる事になっている。

先程その友人からのメールが届いており、現地までタクシーかウーバーで来てくれという事だったので、再度ウーバーのアプリを立ち上げてみる。

現地までの料金を検索してみると、現地まで150香港ドルと表示された。車も近隣に何台か走っているように表示されたので、問題無さそうである。

明日以降、どこを観光するか、またガイドブックを開いて、紅茶など飲みながら、いろいろと検討する。

そのうちに毛布も届いて、出掛ける準備も完了した。

19時の待ち合わせであるが、夕方のラッシュに重なるので、少し早めに出ようと言う事で、18時前に部屋を出てホテル1階のエントランスに出た。道路を見ると、黄色い斜線がペイントされているので、ここからだと良く無いと思い、K11のモール側に抜けて、反対側のモールエントランス前から、ウーバーを呼ぼうとアプリ立ち上げた。

先程から、小一時間経っただけであるが、既に夕方のラッシュ時にかかってしまったようで、近くにいる車が少ない。しかも、料金が300香港ドル近くに跳ね上がっている。香港島へ繋がる海底トンネルも渋滞している様だ。

料金がアルゴリズムで変動するとは、良く出来たシステムだと感心したが、そんな事を言っている暇はない。早くよび寄せなければと、予約ボタンをタップする。

しかし、混んでいて、配車が決まらない。

これで時間を浪費しても無駄なので、仕方なく地下3階に降りてホテルのタクシー乗り場へ向かう。

ドアマンに行き先を告げると、程なくタクシーがやって来た。

行き先は、香港島の南側、シーライフパークの隣にある「カントリークラブ」という会員制クラブである。

タクシー運転手にそれを告げると、さすがに運転手はプロなので、直ぐに理解したようである。

H1のハイウエイと海底トンネルは渋滞が激しいようで、西側のトンネルを通るルートで大回りして行く様だ。

香港島側に渡ると、タクシーは上環エリアの急坂の路地を走って行く。香港らしい面白い光景を見る事が出来た。

上環から、香港島の西側をまわり、アバディーンに出た。さすが上手く渋滞を交わしている。

アバディーンの街並みは、海沿いに沢山のマンション群がビッシリと建ち並び、中にはポキッと折れそうなぐらいのペンシルビルもいくつかある。凄い開発の仕方だなと、呆れる様な思いである。

カントリークラブは、入口にゲートがあり門番がいる。タクシーが着くと特にチェックも無く、ゲートが開いて中に入った。丁度、約束時間の19時に到着出来た。

アプローチを進んで行くと、車寄せが見えたのでそこで下ろしてくれる様伝える。

料金は、チップ込みで220香港ドルで済んだ。

ラッシュ時などは、ウーバーよりタクシーの方が安い事が、今回の乗車で分かった。

今後は、状況により、両者を上手く使い分ける事が必要であると学んだ。

あと、ウーバーを利用する場合、可能であれば事前に時間帯を変えて、料金の見積額をチェックしておくと良いかもしれない。

カントリークラブは、会員制クラブだけあって、ドライバー付きの高級車が車寄せに止まっていたりする。

外観的に派手さはないが、品の良さを感じさせる。

エントランスの扉を開けるとフロント係りの女性がカウンターにいたので、友人に招かれて訪れた旨を伝える。

ふと、その先を見ると、ロビーで友人が腰掛けている姿が見えた。大理石貼りの床にメイプル色のウッドの壁が調和し、程よい明るさのライトに照らされている。

フロントの女性に、彼ですと断り、中に入った。

友人も振り返って、こちらに気づき、立ち上がった。

彼が来日した時に東京で会ってから、約半年振りである。

友人が、私の妻と会うのは初めてであるので、妻を紹介をする。

妻は、練習していた英語での挨拶とご招待のお礼を笑顔とともに淀みなく述べた。

英語堪能と勘違いされても、後で困るなぁと言う位の出来であった。

レストランでの食事の最中に中座したくないので、到着した早々であるが、お手洗いを借りることにした。

お手洗いも、少し古い格式のあるホテルのそれのようで、センスが良い。

妻もお手洗いを借りて、出て来たところで、レストランに案内された。

友人は、外で人と食事をする時は、このクラブ内のレストランを利用することが多いそうだ。

いつもの担当者と言う感じの女性マネージャーが、席に案内してくれる。

個室を用意してくれた様だ。

大きなテーブルの正面に女王様用みたいな大きな背もたれの革張りの椅子が鎮座している。そこに二人は座れそうだ。テーブルの両サイドにもそれぞれ椅子がある。

妻を女王様席に座らせ、友人と私が両サイドに向かい合って座り、3人でコの字型に座ることになった。

3人とも、お酒を飲まないので、フレッシュジュースを注文したが、折角の料理なので、後からグラスでワインを頂いた。

最初に前菜が2皿あり、次に北京ダックが、ワゴンに載せられて到着した。

友人曰く、ここの北京ダックは、香港で一番美味しいとの事。個室のダウンライトに照らされて、良い艶がテカッている。

友人が広東語で、マネージャーに何か指示を出した。スライスの仕方などを指示した様である。言葉だけだと何を言っているのか、全く分からないが、その場にいると何か雰囲気で伝わるものである。

北京ダックは、3人では量があり過ぎの感じがしたが、美味しいので、勧められるままに私が平らげてしまった。

香港1日目から、既にカロリーオーバーの危険がある。

その後も、小籠包やら、野菜、魚、肉料理など、次々と運ばれてくる。

会話をしながら食べていると、私の場合、際限なく、胃の中に収まる様である。

気がつくと、お腹が膨れて、触ると硬くなっている。気づかれない様にベルトを緩めて、ズボンのボタンを一つ外した。

最後にデザートは、如何とメニューを渡されたが、もう入らないので遠慮した。

すると、ではセサミスープとレッドビーンスープをとって3人でシェアしようと勧められたので、友人が食べたいのかもしれないと思いお任せした。

どんなものなのか良く分からなかったが、運ばれて来たのは、黒ゴマと小豆のぜんざいの様なものであった。

少し取り分けて飲んで見ると、暖かくて、ほんのりと優しい甘さがある。

ペーストにして、甜菜糖と片栗粉で煮たのかなぁという感じである。

これが、美味しくて、全部別腹に収まってしまった。

大満足のディナーを終えて、その後、館内を案内して貰った。

中華のレストランの他に、フレンチのレストラン、カジュアルレストランと3つの大きなレストランがあり、他にもプールサイドの軽食、海辺のテラスでの食事、ワインセラー内にもレストランもある。

その他、ダンスホールのあるパーティ会場があり、立派なグランドピアノが置かれている。コンサートも開催される様だ。

南側は、広〜い芝生の庭になっており、テラス席でも食事をしたり、お酒を楽しんだりできる。

雨も丁度止んでいたので、芝生の庭に出てみる。雑草一つ無い、よく手入れされた芝生が柔らかくて脚に心地よい。

振り返ると建物の全景が見える。レントランの窓からオレンジ色の光が洩れて、なんともリッチな雰囲気である。

この芝生の庭では結婚式のパーティなどが開かれるそうである。芝生の庭の上のパーティなど映画の世界の様である。

芝庭の先は、生垣になっており、その先はストンと落ちて、プライベートビーチになっている。ビーチには何艘かのボートが置かれていた。

夢の様な世界である。

自分も出来るなら、こんなクラブの会員になってみたい。

どうすれば会員になれるかのか、友人に尋ねると、今は50年待ちとの事。お金を積んでもダメらしい。もとより、お金は無い。

この海は、緩いカーブの湾になっており、水深は深いらしい。それゆえディープシーベイという。湾の東の先には小島が浮かんでおり、そこには、ヨットハーバーが2つあるそうだ。島までは橋が架かっていないので、ボートで向かう。どれもこれも余裕のあるセレブ達のための施設である。

香港島の北側は大都会で、最先端と猥雑さが入り混じった世界であるが、南側はセレブの為のリゾート地の様で、全く違う世界が広がっている。

その移動時間は、車で山を越えれば、ほんの10分である。

香港初日から、この凝縮された小さな国の奥深さを見せつけられた思いである。

このカントリークラブは、個人オーナーもしくは営利法人が所有している訳ではなく、会員の共有であり、営利を目的としていない。

会員が支払う毎年の管理費とレストラン、その他の施設利用料などの収益によって運営されているとの事である。

そんな素晴らしい組織があるとは、羨ましい限りである。

私が知らないだけで、日本にもその様な組織があるのだろうか?セレブの集う軽井沢あたりなら、あるのかもしれない。

一般的には、リゾートクラブ会員権、ゴルフ場の会員権、ちょっと違うかもしれないがプレイボーイクラブなどの会員制組織は思い浮かぶが、どれも営利目的である。

ああそうだ、ゴルフ場と別荘地が一緒になった会員組織が、東京近郊にあったかもしれない。今度調べて、一度見学してみよう。

などと考えながら建物に戻り、フィットネスジム、ピリヤード・卓球などのプレイルーム、スカッシュコート、テニスコート、プール、ボウリング場などを見学させて貰った。

また、敷地外に、車で5分の場所にゴルフのショートコースがあり、九龍半島側のニューテリトリー地区には、本格的なゴルフコースがあるそうだ。

本当に何不自由なくリゾートライフが送れる環境が整っている。しかも比較的安価であるそうだ。

来場者を見ると、アジア系と欧米系の半々くらいかと思われる。平日の夜であったが、遅い時間までレストランには客がおり、駐車場もかなり埋まっていた。

夢のような世界を見せてもらった後は、友人の車でホテルまで送ってもらうことになった。ついでに夜景スポットなども案内してくれるとの事である。

コメント

タイトルとURLをコピーしました