ヴェトナム!!① ハノイ、ハロン湾満喫

スカイチームのヴェトナム航空を利用した。直行便で検索して、ANAの方がヴェトナム航空より安いチケットがあったのだが、フライト時間帯が午前8時台であったので、生活のリズムが崩れるのが嫌な我々には向かない。それと比べると便数が多くて選択肢があり、スカイチームのラウンジを利用できるメリットもあるヴェトナム航空の方を選んだわけである。成田空港第一ターミナルで偶然通りかかったヒルトン・グランド・ヴァケーション・クラブのブースで長い立ち話をしてしまい、その後ヴェトナム・ドンへの両替で手間取りラウンジに立ち寄る時間が無くなってしまった。出国審査から搭乗ゲートまで走ることになったが何とか間に合って飛行機に乗り込んだ。ヴェトナム航空の機内食は想像より美味しく快適なフライトであった。ハノイの「ノイバイ国際空港」は大きくて清潔な空港であるが、到着ゲートから外へ出ると南国特有の色黒で目力が強い人達の圧力に少々おののく。タクシーでハノイ市内に入るとイナゴの群れの様なバイク群に圧倒される。渋谷のスクランブル交差点では人が行き来するが、その人の群れがバイクに置き換わったような光景である。ぶつからずに通行できているのが不思議になる。その中で車が車線変更や左折・右折をするときに巻き込まず、当てられず方向を変えるのは細心の注意が必要だ。日本人では恐くてとても運転などできないと思うが、現地の人は上手に方向を変えて進んでいく。急激な動きをしない様にしながらも自分の行く方向を相手に知らせる阿吽の呼吸があるのだろう。バイクは車道・歩道関係なく空いているスペースを走るし、3人4人乗り、荷物の過積載は当たり前である。カルチャーショックとともにこの若い国のパワーを感じる。

翌朝、ショッピングモールの中のレストランでモーニングのフォーボーを食べた。フォーの上に肉が載っているやつである。この味付けが優しくて抜群であった。これ以来フォーのファンになった。この日は市内観光の後、郊外にある陶器の工場&販売の街「バチャン」に行き、早速土産の陶器を購入した。ヴェトナムだから激安と言うわけではない。ただ品数が半端でないので、見学して価格交渉してショッピングするのには楽しい場所である。夕食は、市内に戻って地元の人が行くようなレストランでいただいた。味は抜群に美味しいが、店としては入るのに勇気がいる。お皿などはお店の前の歩道でタライに水を張って洗っている。あまり見ない方が良かったかもしれないが、その後もお腹の調子は問題なかった。逆に後日、綺麗な日本食レストランに入った時、つい日本にいるような錯覚に陥って、普通に刺身を注文して食べてしまい、翌日にお腹を壊してしまった。

庶民的な街の風景と混在して、近代的オフィスビルのエントランスフロアでは、どこかの国と同じような光景も見られる。夕方、マッサージに行くためタクシーに乗ると通勤のラッシュに巻き込まれる。2日目になると次第にこの風景にも慣れてきて、このバイクの波もかわせるのではないかという気がして来た。

次の日はタクシーを借り切って、ハロン湾に向かった。到着すると港の船着き場にはクラシックな観光船が沢山並んでいる。この船で湾内を観光しながら、船内では海鮮料理を頂けるという趣向である。ハノイ市内は湿地帯の地形の為か、一年中空は曇っているという事であるが、あいにくハロン湾もこの日は曇天である。海の色も観光用パンフの写真で見る澄んだものではなく鈍い光を放つ青緑色だ。ここは中国との国境に近いので、向こうから陸伝いに観光バスで団体がやってきている。いつもながら賑やかな団体だ。船は彼らと同乗することなく、個人客数名で乗り合いできたので、静かにハロン湾の景色を堪能することが出来た。切り立った山々の谷間に洪水で海が押し寄てしまったような不思議な空間である。眺めていると時空をスリップしてしまったような感覚にもなる。その昔は海賊の隠れ家があったというのも頷ける。今でもその辺りに潜んでいるかのようだ。そして何といっても素晴らしかったのが、船上で提供される料理である。観光地の食事だからと全く期待していなかったのであるが、出てくるコース料理はどれも絶品である。さすがヴェトナム、食に関しては外れたことがない。1時間位クルーズしたのだろうか、どこかの島か半島なのか分からないが、小さな観光用の港に到着し、1時間位停泊して休憩するとの事である。下船すると「ティエンクン鍾乳洞」という観光スポットになっていた。腹ごなしに急な階段を上り下りしながら一周してくると土産物屋があり、アイスなどを食べて休憩するようになっている。良くできた観光コースである。帰りの船は同じような船が並んでいるので番号などを覚えておかないと見失ってしまう。スタッフのお姉さんの顔を覚えていたので何とか探し当てることが出来た。帰りの船内は少し疲れも出て、爆睡のうちに元の港に到着した。ハロン湾からの帰り道、またもや通勤ラッシュ的なものに遭遇し、大渋滞に嵌ってしまった。こちらはバイクと車が通勤の足なので毎日が交通戦争である。国が裕福になるにつれ、庶民がバイクからの乗り換えで、年々車が増えているそうなので、この先渋滞はもっと酷くなる事が予想される。ハノイ到着が遅くなったが、この日の夜のヴェトナム料理レストラン「Com Viet」(コム・ヴィエット)は料理・雰囲気ともに最高であった。

翌日は、ゆっくり起きて朝食を取り、その後市内の裏道を中心に散策に出た。裏道には庶民の生活そのものがあり、混沌とした世界が広がっている。この路上の屋台ともいえぬ店で作ってくれる「バインミー」が最高なのである。パン好きの私としてはこれを食べるためだけにまたヴェトナムに行きたいくらいである。お昼時にはオフィスからサラリーマンが出てきて、この屋台で食事をしている。普通の店に入って食べるより、こちらの方が美味しいからだろう。ニワトリなどは生きたまま籠に入って保管されていて、料理が売れ始めると次に締められ羽を取られてザルの上に乗る。そしてその次、料理されて我々の口に入るのである。日本で言えば、いけす料理の店と同じ感覚だ。しかし、慣れない日本人としてはそれを横目で見ながら食べるのは、ちょっと落ち着かない。その他、食用の犬やら豚やらドーンと大迫力で転がっている。

ハノイのエネルギッシュな街で暮らしてみるのも面白いかもしれないという気がして来た。

 

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