21番札所「太龍寺」ロープウェイに乗車する <思い立って四国お遍路八十八ヶ所>⑬

21番札所「太龍寺」は、20番「鶴林寺」から県道19号線を那珂川に沿ってドライブする約25kmのルートとなる。これは太龍寺ロープウェイの山麓駅へ行くルートである。山頂まで車で行く事も出来るそうであるがロープウェイの方が楽しいし無難である。
広い駐車場に車を停めてロープウェイの山麓駅に向かうとその手前には小さな赤い太鼓橋がかかっている。ここで記念写真をとったりして駅内に入るとお遍路姿では無い人達も結構居たりする。切符を買って待合室で乗車時間を待っているとお遍路をしている事を忘れて観光に来ている様な気分になる。
場内アナウンスが流れてロープウェイ乗り場に向かうと乗客の中でお遍路姿は我々だけであった。
スキー場で乗るゴンドラとは違い大きくて立派なロープウェイである。出発すると直ぐに那珂川の上を越えるので後ろを振り返った時の景色が素晴らしい。清流が蛇行する河原では数名の釣り人が流れに向かって竿を投げている。ロープウェイの高度が上がってくると広々とした山河のパノラマとなる。ロープウェイ事業の立案者は絶好のロケーションを選んで架けたものだと目の付けどころに感動する。山麓駅から見える山に登った辺りが頂上かと思っていたら、そこから更に横移動で延々と進む谷を越え、遠くに鶴林寺を望みながら次の山を越えて行く。途中の山の上に絶滅した狼の群れの彫像がある。修行をした弘法大師をはじめかつてのお遍路さん達は、山の中で狼に出会って恐い思いもしたのだろうなと当時のお遍路を思う。今は空中からそれを眺めている様な気分だ。ロープウェイの床にはガラス張りの部分があるので、そこに立ってみる事も出来る。結構縮み上がるのでやってみる事をお勧めする。最後の山を越えると右手に弘法大師が座禅を組んで修行をしたと言われる見晴らしの良さそうな岩場が見えてくる。そこには境内から歩いて行けるそうである。時間さえあれば是非行ってみたい場所なのであるが今回は先を急がなければならないので割愛した。ロープウェイは最後に少し下って山頂駅に到着する。帰りの便の出発時間を聞いてから境内に向かう。次の便で戻りたいところだがお経をあげる時間もあるので、次の次の便に乗るつもりで境内を廻った。境内は広くて高低差もある。時間を気にしながらなので息が切れるくらいに走った。バテたとしても帰りのロープウェイで休めば良いと思ったからである。境内は杉の巨木が立ち並び独特なパワーを持った空気感がある。
焼山寺、鶴林寺とともに三大難所と言われているが、周りを全て山に囲まれている点でこの太龍寺が一番の難所なのではないかと思われる。

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第21番<舎心山 太龍寺 常住院> しゃしんざん たいりゅうじ じょうじゅういん
本尊:虚空蔵菩薩
開基:弘法大師
真言:のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありゃきゃ まりぼり そわか
宗派:高野山真言宗

駐車場:ロープウエイ山麓駅手前 納経所:本堂右手側、鐘楼門の先
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続きはこちら「22番札所・平等寺」

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