22番札所「平等寺」~26番札所「金剛頂寺」 <思い立って四国お遍路八十八ヶ所>⑭

22番札所「平等寺」は、21番「太龍寺」から県道195号線、県道284号線を通って約15kmの道のりとなる。先程とはうって変わり平地の集落の中ににあり長閑な雰囲気が漂う。境内には弘法大師が掘ったとされる井戸は「開運の泉」といわれているそうだ。

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第22番<白水山 平等寺 医王院> はくすいざん びょうどうじ いおういん
本尊:薬師如来
開基:弘法大師
真言:おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
宗派:高野山真言宗

駐車場:山門前 納経所:仁王門の先右手
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23番札所「薬王寺」は、22番「平等寺」から南西方向へ約20km走った県道55号線沿いにある。仁王門をくぐって最初に33段の石段があり、次に42段の石段がある。それぞれ女厄坂、男厄坂と言われており、1段毎にお賽銭を置きながら上って行くのが慣わしの様なので、この為に小銭を大量に用意しておいた方が良い。置いてある小銭は殆ど1円玉である。我々も当然用意しておいた1円玉を置いて上っていった。本堂には弘法大師作の薬師如来像と新しい薬師如来像が背中合わせで安置されている。弘法大師作の「後向薬師如来像」を拝むには本堂の裏手に廻って拝むのが礼儀なのだそうだ。また本堂右手には61段の石段があり男女の還暦厄坂と言われている。

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第23番<医王山 薬王寺 無量樹院> いおうざん やくおうじ むりょうじゅいん
本尊:厄除薬師如来
開基:行基
真言:おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
宗派:高野山真言宗

駐車場:山門前 納経所:仁王門の先、右手
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このお寺で徳島県内は最後となり、次の24番札所「最御崎寺」までは75kmのドライブとなる。海岸付近のドライブとなり、途中には「海部」「宍喰」と聞きなれたサーフポイントの名前が出てくる。これらは高知県のイメージであったが全て徳島県内である。「生見」から高知県となるようだ。この日の予定の26番札所「金剛頂寺」まで時間の余裕をもってまわることが出来れば、5時以降に少し戻って「海部」でサーフィンなどと考えていたが、どうやら時間的に厳しそうである。海岸をチラチラと覗きながらドライブしているとロングボードを抱えたサーファーが道路わきを歩いていたので、この辺りがポイントなのだろうと思いすぐそこに見えたセブンイレブン「宍喰」店の駐車場に車を入れた。一息入れようとアイスクリームを食べながらセブンイレブンの裏手に廻って海岸の堤防の上に登ってみた。見渡すとそこは砂利と白砂のビーチになっており、南国らしい青い海が広がていた。お隣がサーフショップなので、ここはサーフポイントであると思われるが、あいにくこの日は波は無く、べたーっとしたフラットな海であった。綺麗な海岸ではあるが、無残にもテトラが沖に並べられ、「ザ・日本」の海岸となってしまっている。本当にどうにかならないものだろうかと思う。海を見て一休みしたところで、また車に戻り室戸岬を目指して走り出す。途中、車窓から見た「生見」の海岸には少しウネリが入っており、何人かのサーファーが波乗りをしていた。室戸岬に近づいてくると荒々しい岩の海岸となり、岬の先端には三角形の大きな奇岩が見えてきた。面白い光景なので妻にも見せようと思ったのであるが、この3日間の疲れが出たのであろう完全に熟睡している。見逃すのは惜しいと思ったが数枚カメラに写真を収めて通り過ぎた。

24番札所の「最御崎寺」は、室戸岬を通り越して高知方面に少し走った先を右手の山側に登った場所にある。駐車場に車を停めて、樹木に囲まれた緩い坂道を歩いて山門に向かうが結構な距離がある。海が近いせいなのか、樹木の種類の違いなのか、今までとは違い南国を感じさせる雰囲気がある。山門をくぐると整然とした広い境内が広がり心地よい風が通る。このお寺の下の海岸沿いには弘法大師が修行をした洞窟があり、そこでの神秘体験により「空海」を名乗るようになったという事なので、お遍路廻りの中でも重要なお寺であると考えられる。

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第24番<室戸山 最御崎寺 明星院> むろとざん ほつみさきじ みょうじょういん
本尊:虚空蔵菩薩
開基:弘法大師
真言:のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありゃきゃ まりぼ そわか
宗派:真言宗豊山派
駐車場:境内まで徒歩5分 納経所:本堂の左手奥
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25番札所「津照寺」は、24番「最御崎寺」から海沿いの国道55号線を車で走って約15分9kmの道のりである。漁港のすぐそばにあるお寺なので近くまで来ると如何にも漁師町と言う風情になる。この日は道路工事があったため漁港方面にある駐車場に入ることが出来ず、仕方なく工事による通行止めの手前で路上駐車した。取り締まりが廻ってくるとは思えないが、万が一のことを考え急いで境内に向かった。山門をくぐると急な階段が続くがその途中に鐘楼門があり、その下をくぐり抜ける形になる。何気なくくぐり抜けたところ、頭上でいきなり鐘が打ち鳴らされて心臓が止まりそうになった。誰かが鐘楼門の上に登って鐘を突いたらしい。予備知識が無かったので衝撃であった。鐘楼門の下をくぐる時は人がいるかどうかを注意して通った方が良い。本堂までの階段は128段あるそうだ。高台から見下ろすと手前の漁港の先に大きな太平洋が広がっている。本堂でお経をあげていると階段を登ってかいた汗が風に吹かれて心地よい。お寺が高台にあるとこのような清々しい気持ちになれるという効用があるようだ。海の景色が素晴らしいので何枚か記念撮影をしていると年配のご夫婦がシャッターを押すのを手伝って下さった。いつも駆け足で参拝してお互いに写真を取り合って次に向かうので、二人揃って写真に収まることが無かったので有難かった。

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第25番<宝珠山 津照寺 真言院> ほうじゅざん しんしょうじ しんごんいん
本尊:延命地蔵菩薩
開基:弘法大師
真言:おん かかかび さんまえい そわか
宗派:真言宗豊山派
駐車場:漁港側 境内まで徒歩3分 納経所:仁王門の右手、大師堂の隣
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26番札所「金剛頂寺」は、25番「津照寺」から国道55号線を西へ進み元川を越えたところで右手の山側へ入り山道を登った所にある。約5kmの道のりで、途中の松林の海岸沿いは美しい海の景色を見ながらのドライブとなり、最後の山道はヘアピンカーブになっている。このお寺も高台の良い場所に建てられた大きなお寺である。ご本尊の薬師如来像は弘法大師自らが刻んだものだそうである。

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第26番<龍頭山 金剛頂寺 光明院> りゅうずざん こんごうちょうじ こうみょういん
本尊:薬師如来
開基:弘法大師
真言:おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
宗派:真言宗豊山派
駐車場:山門手前、境内まで徒歩3分 納経所:本堂手前左側
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ここまで参拝が終わって未だ4時半であったが、次の「神峯寺」までは24kmあるので5時までには間に合いそうにない。そこまで走ってタイムアウトでは空しいのでこの日は少し早いがここで終了という事にした。3日間でやっと高知県までたどり着き半分まで進んだ感はあるのだが、件数的には未だ3分の1以下である。徳島県内を廻っている時には、既に相当廻った感じがしていたのに未だ20番台なのかと途方に暮れる思いであった。88ヶ所巡りとは本当に修行である。

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