マカオのタクシーの洗礼を受ける <マカオ・香港トリップ>⑧

朝目覚めてカーテンを開けると、雲空の下、数百メートル先にホテルギャラクシーの建物が見下ろせる。その本館のこちら側には、巨大なエアコン室外機、もしくは給湯器であろうか、工場のような機械棟から白い蒸気が立ち昇っている。

本体が大きければ、そのバックヤードも巨大になる。このヴェネチアンも同じ様に巨大なバックヤードを持っている筈である。

このエリアにあるホテル群は、巨大さと豪華さを競い合っているからこそ、それによって世界中から観光客を引きつけることが出来ている訳である。

「バブルだな〜」と思う。もし、自分が湯水の様に使えるお金を持っていたら、こんな所で数日遊びまくるのも楽しそうだと想像する。

 

さて、この日の予定は、世界遺産巡りをする事なので、朝食は館内のフードコートで、手早く済ませるつもりだった。

朝はお粥が美味しいとの情報をガイドブックでチェックしていたか、昨日の夕飯をフードコートで食べてしまったので、どうも気がすすまない。

サウスのフロント付近にカフェがあるのをチェックしていたので、適当な物がテイクアウト出来ないか、部屋を出て見に行くことにした。

これが有名なロードストーズカフェの支店であった。

ショーケースを覗いてみると、美味しそうなサラダとサンドイッチが並んでいる。

即決で、それらとミネラルウォーターをケースから取り出して、会計しようとレジに向かい、ふと見ると美味そうなエッグタルトがガラスケースに積まれていた。

ああ、そうか、確か有名なエッグタルトの支店がホテル内に入っていると何かに書いてあったなぁと思い出した。

朝から血糖値が上がり過ぎるかとも思ったが、折角の旅行なので、許す事にして、これもいただく事にした。

部屋に戻って、テーブルの上に広げ、備え付けの珈琲・紅茶で、美味しくいただいた。

このパターンもありだな〜という感じである。出かける準備をしながら、食べられるので時間の節約にもなる。

なお、このエッグタルトは、やはり絶品であった。

 

天気予報を見ると、マカオは午前中曇りであるが、午後からは雨となっている。

雨の中、傘を差してまで回りたくはないので、当初考えていた予定の半分だけ回る事とし、マーコッミウ〜セナド広場までの15件程度を巡って、何処かでランチをして帰ってこようという事になった。

マカオ半島までは、ホテルの無料バスを利用するのが、お得なのであるが、この日は雨が降っていない時間帯が貴重なので、タクシーで行く事にした。

ホテルエントランスのタクシー乗り場には数台待機しており、待っている客もいなかったので、直ぐに乗り込む事が出来た。

ドライバーはアディダスのパーカーを羽織った若いお兄ちゃんである。「マーコッミウ、プリーズ」と言って、ガイドブックのそのページを見せたが、理解出来ないらしい。

車はもう走り出しているが、ガイドブックを向こうに渡すと「oh マーコウテンプル?」と言って、同意を求められる。

ああ、こちらの人は、そういうのかと思い。「イエス、マーコウテンプル、プリーズ」と同意する。

すると、「マーコウテンプル 300ドル」と言うではないか。

???300ドル?

=30,000円?

ボッタクリか?こいつは。

当然、タクシーメーターは回っていない。

ちょっと待て、それは30ドルの間違いでは無いか? 30ドルで行けるだろうと言うと、ドライバーのお兄ちゃんは、何言ってるんだと後ろを振り返って睨みつけてきた。

こいつは悪質だなぁ、降りようかと思ったが、いや待てよ、レートを間違えたかなと思い、「ちょっと待て」と言ってスマホの為替アプリに300香港ドルを打ち込んでみた。

やはり、こちらの勘違いで、4,500円である。

「オーケー、それで行ってくれ」と言う事で、合意した。

4,500円でも、ボッタクリであるが、常識の範囲内のボッタクリである。

初めての旅行先だし、こちらも急いでいるから、この価格で成立してしまう。

こんな観光客が利用するから、いつしかそれが相場になってしまったのだろう。

 

目的地までの道は順調で、マーコウテンプル脇の道路の反対車線側では降ろさず、わざわざUターンして、真横に着けてくれた。せめてものサービスなのだろう。

最後Uターンするところで、少し渋滞したが、所要時間は10分程度である。

10分で4,500円なら、このお兄ちゃんにとっては良い稼ぎである。

でも、お兄ちゃん、こんな稼ぎ方してると、今日は儲かったかもしれないけど、金遣いが荒くなって、長い目で見ると、お金を貯められないよ。

と心の中で思いつつ、300ドルを支払ってタクシーを降りた。

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