アパート経営の今後と営業マンの行く末

陸マイル活動を始めて、資料請求案件をこなす中で、建築や不動産の資料請求をすると資料を送って来るだけでなく必ず一度は電話があり、お会いしたいと言われる。ここで言う資料請求案件とは、ポイントサイトに広告を出している企業にポイントサイト経由で資料請求する事により、所定のポイントを得られるというものである。企業は新規顧客を得るためポイントサイトに広告宣伝費を提供し、ポイントサイトはその中から自分の取り分とエンドユーザーに提供する分を分けて、ポイントとして付与するものと思われる。

こちらは最終的にマイルに交換する為のポイントサイトのポイントが目的なので出来るだけ煩わしい事はしたくない。しかし、先方はポイントサイトから提供された見込客なので、可能性がある限り最大限の営業をしようとする。
ポイント付与の条件が「資料請求と本人確認の電話」という事で応募したつもりであるが、急な電話で先方から当然のごとく「お会いしたい」といわれると、「ポイント付与の条件が面談まで必要だったかな?」と、ふと頭をよぎって不安になる事がある。営業マンの熱心さもあり、会う約束をしてしまいそうになる事もあるが、「資料を見て検討してこちらから連絡する」という事で最終的には何とか断っている。
それでも中には直接自宅を訪ねてきてしまう営業マンもいる。追い返してポイント付与の判定を否認されるとマズイので、それなりに上手く対応する必要がある。

「大東建託の内幕」という本を読んだ事から、彼ら営業マンの置かれている立場を思うと切ない気持ちになるが、ここは早めに関係を断ち切った方が良いと思い、「見込み薄で営業する価値が無い客」と判断させるよう対応している。

資料請求案件で大東建託の営業マンが来たわけではないが、同種の会社から営業を受けた。かぼちゃの馬車に端を発したスルガ銀行の問題以降、銀行のアパート経営に対する融資は非常に厳しくなっている。それでも彼らは顧客にアパートを建てさせないと会社が廻って行かないのである。想像するところ、会社から大きなプレッシャーを受けて大変な時期なのではないだろうか。こういう時にまた悲劇が繰り返されることになるのだろう。

余裕のある地主さんにアパートを建てさせるだけなら何の問題もない。相続税対策として有効であるし、将来的に収益力が落ちても借り入れが無いのであればダメージは無い。問題となるのは目一杯の融資を組んでアパートを建てさせた場合に起こる。彼らの言う家賃保証というのは2年毎に保証賃料の見直しがある。契約時点での保証賃料で返済できるからと言ってギリギリの融資を組むと10年経過したころには家賃の収入が半分になってしまう事もあるはずだ。返済額は毎月変わらないので、2年毎の保証賃料の減額により、どこかで持ち出しが発生するようになり、その後はそれがどんどん膨らんでいく。地主は他の収入でそれを補填し続けるか、アパート自体を売却して融資を一括返済すると言いう事も考えなければならなくなる。

自分の所有するアパートの周辺に競合する物件が少なければ、ある程度賃料は維持できる可能性もあるが、彼らはアパートを1件受注すると、その周辺地域にも集中営業をかける。最初の1棟が良いモデルハウスになり営業しやすくなるためだ。こうして無情にも競合アパートが周辺に次々と建築され、築年数の古いものは競争に不利になっていく。これはアパート経営の宿命である。

地主の悲劇と並行して、営業マンの悲劇も並行して起きている。彼らの固定給は約25万円程度で、アパートを一棟受注すると建築費の3%がインセンティブとして支給されるらしい。売れている営業マンであれば、相当な年収となる。しかし、常に売り続けるのは大変なことで、受注が取れなくなり始めた時に、その座から滑り落ちたくないという気持ちから不正が始まる可能性があるようだ。

顧客が銀行から融資の承認を得る前に着工させたり、契約を取りやめたいという顧客に自らの身銭を切って資金を補填したり、最悪は他の顧客の資金を無断で流用してしまうなどという事が起きたらしい。会社からの毎月のノルマに対するプレッシャーから、この様な異常行動が起きてしまうのである。

末端の営業マンだけでなく、その上司も同様のプレッシャーにさらされているので、営業所単位で不正が起きる。地獄のような世界が想像できる。テレビCMのイメージからは全く分からない内幕である。

優秀な営業マンは、その様な会社にしがみつかず、早く見切りをつけて別な仕事を探してほしいと、彼らの後ろ姿を見て、勝手ながら思ったのである。

コメント

タイトルとURLをコピーしました