オクトパスカードで地下鉄に乗ってビクトリアピークに向かう <マカオ・香港トリップ>㉓

朝起きて、カーテンを開けると、外は曇り空、雨がぱらついているようにも見える。

妻が外出の準備をするのには、少々時間が掛かりそうなので、朝食を近くのコンビニで調達して来る事にした。

このセンチュリーハイアットは、宿泊階からエレベーターで一旦3階まで降りて、チェックインラウンジの前を通って別のエレベーターに乗り換える

そのエレベーターで、2階及び1階さらに地下3階まで行ける様になっている。

1階へ行くエレベーターで、アメリカ人家族と一緒になった。

彼らをエレベーターから先に下ろすと右手に折れてK11のモール側へ行ったので、何となくついて行った。

モールの中を通って、外に出ると中庭的な空間があり、そこを抜けるとチムサーチョイの駅方面へ行ける様だ。

駅に向かえばコンビニが見つかるだろうと思い、ブラブラと歩く。

途中の路地にある銀行店舗の外にATMを見つけたので、ソニー銀行のカードで香港ドルを調達する。小額紙幣を混ぜて引き出そうと操作をしていたが、英語画面の説明を読んでいたら、タイムアップした様で、全部500ドル札で出て来てしまった。

狭い路地なので、直ぐ背中の後ろを人が通る。落ち着かない状況での出金になってしまった。海外では、場所を選ばなければいけません。

その先は、直ぐに駅前のネイザンロードであった。左右を見るが、コンビニは見当たらない。とりあえず右側に歩いてみる。2ブロックくらい歩いたところで、表通りには無さそうなので、右に折れて裏通りに入る。少し猥雑な感じになって来た。車でホテルへ向かった時は、何件かのコンビニを見た記憶があるのだが、何故かまだ見つからない。グルグルと5分位歩いたところで、やっとサークルKを見つけた。中に入ると非常に小さな店舗である。日本の標準店舗の3分の1くらいの面積だろうか。この大きさでも開業しないと他に物件が無いのかもしれない。

あまり美味そうなサンドイッチではないが、それとサラダ、ヨーグルト、菓子パン、水など、ひと通り購入できた。支払いは、VISAカードなら使うことが出来た。

店員の女性は、まだ新人なのかテンパった様子でレジ対応をしていた。私が店内にいた数分の間にも、朝の出勤前と思われる客が次々とやってきて、ちょこちょこと何かを買っていく。そこへ私がクレジットカードなどを出したものだから、さらにテンパらせてしまったようだ。

支払いを済ませて店を出てから、フォークとスプーンを貰い忘れたと気づき、ホテルの部屋に備え付けがあったような気もしたが、念のため貰っておこうと思い、もう一度店に戻って、店員に2セット下さいと頼んだ。

すると、そのテンパった店員がレジ横に置いてあったクレジットカードをこちらへ寄こすではないか。先ほどクレジットカードを返して貰うのを忘れていたようである。フォークとスプーンの閃きは、天の声だったのかもしれない。

あぁ、危ない危ないと思いながら、ホテルへ向かう。戻る道が入り組んでいて迷いそうなので、面倒だがグーグルマップを立ち上げる。ホテルの場所と現在地を確認して、歩き始めると、セブンイレブンを発見した。何だこんなに近くにあったのかと思い、また歩くと、今度はホテルのメインエントランスのはす向かいにまたセブンイレブンがあった。

実は、メインエントランスの反対側の入り口前にも、もう一件セブンイレブンがあり、ホテルの周りはセブンイレブンだらけであった。それを敢えて縫うように無い場所、無い場所を通って歩いていたようだ。殆ど奇跡に近い。

部屋に戻ると、妻が「遅かったね。大変だったね」というので、「全然なくて大変だったよ」という事にしておいた。

雨は、傘をささなくても良い程度の霧雨だったので、朝食を食べたら、早めにホテルを出発する。この日は、先ずはビクトリアピークへ登っておこうという事になった。霧がかかって景色は望めないだろうが、急こう配のピークトラムというものを体験してみたいというのが目的だ。

ホテルを出て、朝歩いたルートで、チムサーチョイ駅に向かう。やはりコンビニ空白地帯である。

ネイザンロードを渡ると直ぐにメトロのサインがあり、地下への入り口にエスカレーターがある。

まずは、香港で公共交通機関を利用する場合に必須となる「オクトパスカード」を手に入れなければならない。「客務中心」という窓口で販売しているそうなので、その看板を探す。

デポジット分50香港ドルを含めて、1枚当たり150香港ドルを支払う。100ドル分の乗車は直ぐに使い切りそうなので、窓口で追加で入金して貰おうかと思ったが、後で自分で機械チャージする事も経験になると思い、そのまま受け取った。

自動改札でオクトパスカードをセンサーにかざして、改札内に入る。ビクトリアピークのトラム乗り場へ行くには、まずは地下鉄で「セントラル」駅まで行かねばならない。チムサーチョイからは、ツェンワンラインという赤色表示の地下鉄線に乗って2つ目である。

香港の地下鉄のホームには、ちゃんと転落防止の柵がある。東京より進んでいるではないか。

列車がチムサーチョイ駅を出ると直ぐに海底トンネルに入る。この区間は1駅が長い気がした。

アドミラルティ(金鐘)駅では、半数以上の人が降りた。ガイドブックにはあまり説明が無いので、単なる乗換駅的な感じで考えていたが、意外に侮れない街であるのかもしれない。

セントラル駅に到着して、ピークトラム方面は進行方向後ろ側の出口が近いはずであるので、最後尾のエスカレーターで改札階へ上がる。

ここで妻がお手洗いへ行っておきたいというので、改札の駅員に「トイレはどちらですか」と聞くと、ガラス越しに無言で「J2」と書かれたカードを掲げられた。

J2の出口あたりにトイレがあるかと思い、そこまで行って辺りをうろうろと探したが見つからない。どうやら、こちらが「トイレ」と言ったのを「トラム」と聞き違えて、トラム方面の出口を示したのだろう。それだけ、その改札で「トラム」と聞く人が多いので、口で答えるのも面倒なので、カードを作ったのだと合点がいった。

カードで答えるというのは、日本人的発想では中々出来ない。合理的というか、横柄というか、お国柄の違いが面白いと感じる。

毎回答えるのが面倒なら、カードに書いて窓口に貼り付けておけば、質問しようとした人がそれを見て気付くだろう。そういう発想の仕方は、無い様である。

J2出口の外は公園になっている。公園にもトイレは無い様なので、駅に戻るか、トラム乗り場まで歩いて行ってしまうかであるが、戻るのは嫌なので、トラム乗り場まで行ってみる事にした。

トイレを探している時に、年配の欧米人女性にピークトラムの場所を聞かれた。こちらも旅行者なので、良くわからないが、方向的にはあちらですと指をさして教えた。公園の周りを左から周ってそちら方面へ向かうのが良いだろうと思って教えたのであるが、その後トイレを探している時にピークトラム方面を示す看板を発見すると、公園を右側から周る逆方向を示していた。

 

トイレを探してウロウロした後、ピークトラムへ向かったのであるが、公園の出口方面には、あの有名な「中国銀行」と「香港上海銀行」のビルが建っている。お互いライバル意識をバチバチさせながら建てたと言われているビルである。

公園を出たあたりで、先程道案内をした女性と出くわしてしまい、ちょっと遠回りさせたようで気まずい思いをした。向こうはこちらに気づいていないようなので、横断歩道の信号が変わって、先方が先に歩き出すのを見てから、ゆっくり距離を置いて歩いた。

その先にも立派なオフィスビルがあり、東京で言えば、溜池山王あたりのオフィス街を歩いているような感覚である。ビルに出入りするビジネスマンも六本木~溜池~虎ノ門あたりの外資系金融マンという雰囲気を漂わせており、なかなかイケてる感じである。

先ほどの女性は、また誰かに道を尋ねながら、行ったり来たりしている。こちらの姿にも気付いてしまったようだ。

その後は、案内板も出ておらず、分かりにくいので不安であるが、観光客っぽい人の流れに沿って、坂を上っていくと、それらしき建物が見えてきた。

雨の為か、幸いトラムの山麓駅に行列は出来ていない。

乗車する前にトイレに行こうと、改札係に場所を尋ねるため近寄って行こうとした。すると、割り込みと間違えられて、別の係員の男性が横から出てきて制止された。多少ムッと来るのと同時に何と素早い対応なのだろうと思った。ここでは列への割り込みがそんなに多いのだろうか。

その男性に尋ねると、トイレは少し離れた別の建物にあるという。歩いていくと関係の無さそうな公共建物のトイレを使わせて貰うという事の様だ。トラム入り口にトイレが無かったとは、危ないところであった。

トラム乗り場の先には、高校らしき建物があり、学生が数人づつのグループで話をしながら歩いて出てくる。その様子は、東京の高校生と見かけ上違いがない。東京の学校の中でも良い私立の進学校の生徒たちという感じであった。おそらくこの学校は、場所柄、裕福な香港人家庭の子供たちが通う進学校なのだろう。

トラムの切符売り場に戻り、列に並んでチケットを購入する。何種類かあるが違いがよくわからない。とりあえず往復券で、展望台にも登れるタイプのものを買う。今日は展望台に登っても何も見えないとは思うが、一応その場所にだけは行っておこうと思う。

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