
フェリーはスムーズに入港した。
また、荷物が出てくるのが遅いのは分かっている。のんびりと桟橋からエスカレーターを登り、ビル内に入って、ゆっくり歩いていく。
ここでの入国審査もあっさりしたものであった。
荷物が出てくるのを待つ間、ウーバーのアプリを立ち上げて見た。
フェリーターミナルのある中港城というビルから、宿泊先であるチムサーチョイのセンチュリーハイアットは、手ぶらであれば歩ける距離であるが、スーツケースを引いて歩くのは辛い。
しかも、この日は雨である。マカオにいた時より雨は大粒になっている。
タクシーで行くか、ウーバーで行くかの選択である。
ずっと以前であるが、ウーバーの登録だけは済ませており、ハワイで使うつもりが、タイミングが合わずタクシーを使ってしまい、ウーバー未経験のままであった。
香港では、ウーバーの方が車が綺麗と聞いていたので、今回は必ずどこかで使うつもりでいた。
ウーバー画面の地図を見ると、何台かの車が現在地の近くを走っている様子がわかる。
直ぐに配車が可能な様だ。
マカオでボッタクリタクシーを経験した事と、今回の乗車は距離が短いので、タクシーの運転手に嫌な顔をされる気もしたので、初ウーバーに挑戦してみることにした。
荷物を受け取って、とりあえずは、車を拾えるところに出ようと下の階に降りていった。
地下1階がタクシー乗り場のターミナルになっているので、タクシー乗り場の脇で、ウーバーを呼んでみた。
到着まで5分と表示される。車のマークがこちらに近づいてくる様子がわかる。直ぐ近くまで来ている様であるが、周りを見てもそれらしき車がない。
画面には、ウーバーの乗車場所を記す点が、表通り沿いに表示されている。
もしかすると、待っている場所が悪いのかな?地下で待っているとこちらの場所が先方に伝わらないのかもしれない。仕方がないので、一階の表通り沿いに移動してみる。
wifiの電波が不安定なのか、画面上の車の現在地が一定せず、あちこちに飛ぶ。
ウーバーを呼んでから10分以上経過していまい、やはり、普通にタクシーで行っていれば、もうホテルに着いているかもしれないと後悔した。
その時、ウーバーの運転手側からキャンセルされた様で、キャンセル料の請求がスマホに届く。
ゲッ、最悪である。
こちらが、待つ場所を移動したのも悪いかもしれないが、ウーバーのシステムが悪いのではないか。
キャンセル料は、300円程度であるので、少額ではあるが、こういう余分な請求は腹立たしいものである。
もう一度、地下に戻って、タクシーに乗ろうかとも考えたが、ここでやめるとウーバーとの縁が切れてしまうと思い、腹立たしいが、もう一度トライする事にした。
本来なら表通りに出て、ウーバーを呼ぶ方が良いのかもしれないが、結構な雨が降っている。
少々不安を感じつつ、建物内から呼んでみた。建物の一階エントランスは、ガラス張りなので、この前に車が到着してくれれば、こちらからは見つけられるであろう。
スマホの画面の下に予約した車の車種とナンバーが表示されるので、前に駐車しようとする車のナンバーを注意深くチェックする。見つけたら、建物内から飛び出して、通り過ぎない様に一旦呼び止めてから、荷物を取りに戻ろうという作戦である。
予約した車は、最初反対車線を走っていたが、Uターンして、既にこちらに近づいて来ているとスマホ画面では表示されている。
画面は、電波の関係で表示が遅れるのであろうか、もうその時には、黒のトヨタアルファードが、目の前に滑り込んで来た。
慌てて走り出て、手を振る。すると、その先に止めると言って、ソロソロと20m程先に移動して行った。
荷物を取りに戻り、雨の中、ガラガラとスーツケースを引いて、その車を追いかける。
運転手は荷台のドアを開けて待っていてくれた。
やれやれ、やっと乗れた。
運転手によると、そのビルの前は、駐停車禁止なのだとの事。道路上に黄色の斜線がペイントしてあるところが、その駐停車禁止区域というわけだ。
次回ウーバーを呼ぶ時は気を付けよう。
ウワサ通り、車内は綺麗に保たれており、車体も大きいので、快適な乗り心地である。
センチュリーハイアットまでは、直線距離としては近いのだが、一方通行などの都合により、遠回りをして尚且つ路地を通ったりして、結構難儀をしながら辿り着いた。
こんな場合でも予め料金は確定していて、追加を支払う必要がないので安心して乗っていられる。
目的地に到着すると、運転手は、どこで下ろせば良いか尋ねてくる。
素人運転手なので、建物や道路には詳しくないらしい。スマホのナビだけに頼って、運転しているようである。
こちらは、ウーバーを予約する時にセンチュリーハイアットと入力して、予約したのであるが、運転手には、地図上の場所だけが、示されるのであろうか、今いるのは、ホテルのビルの前ではあるが、エントランスとは反対側である。
ここで降りても良かったが、反対口からホテルに入れなかった場合、雨の中をグルッと建物を周って歩く羽目になるので、運転手にその先を左に曲がって、反対側に行ってホテル正面に着けてくれと頼んだ。
チムサーチョイのセンチュリーハイアットは、駅近の都市型ホテルの為、建物内に「K11」というモールが同居している。
そのせいで一階のホテルエントランスは、非常に小さい。普通に考えるホテルのエントランスとは違うので、見過ごしてしまいそうである。
ゆっくりと確認しながら走ってもらうと、センチュリーハイアットのサインが見えたが、止める場所がないので、少し行き過ぎて停車した。
スーツケースを降ろして貰い、礼を言って別れる。チップも要らないので、簡単便利である。
スマホと車があれば、素人でも、ウーバーに登録して、直ぐにお金を稼げるようになるのであるから、凄いシステムである。タクシー業界が反発して、政府が規制をかけるのも致し方無い部分があるとは思う。
ただ、システムが発展途上の様な気もするので、改善を重ねてくれると嬉しい。
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