1番札所「霊山寺」に参拝 <思い立って四国お遍路八十八ヶ所>⑤

松山空港のゲートを出てバジェット・レンタカーのデスクを目指す。係員が待機しており、もう1組の客と一緒にレンタカーの営業所行きのバスに乗った。営業所に到着すると用意されていた車は白のパッソであった。一応ナビも付いているが、これが実は精度が低くて殆ど使えず、お遍路中ずっとスマホでグーグルマップを起動して道案内してもらう事となった。
空港から松山市内を南方向に抜け高速道路の松山インターチェンジに向かう。途中松山市内にはイオンモールがあったので、買い物をしておきたかったが、天候が悪い為この先今日の予定がどこまでこなせるか分からないので先を急ぐことにした。松山ICから「松山自動車道」に入るとそれまで小降りだった雨が土砂降りに変わった。四国の山並みを見ながら快適なドライブを楽しみにしていたのであるが、ワイパーを最速で回し路面の水溜りに注意しながら高速道路を飛ばすという神経をすり減らすドライブになった。「松山自動車道」は四国の真ん中あたりで、北回りの「高松自動車道」と真っすぐ東に抜ける「徳島自動車道」に分岐する。1番札所の「霊山寺」へはどちらの高速道を選んでも行けるのであるが、今回は直線的で距離の短い「徳島自動車道」を選択する。ちなみに先ほどの分岐の後、南側の高知県へ抜ける「高知自動車道」の分岐がある。「高知自動車道」は、お遍路では使わない高速道であるが観光では使えそうな道である。

何とか事故無く高速道路の運転を終え、「徳島自動車道」の藍住インターチェンジを出て県道1号線を北上する。一般道に入ってからは霊山寺までは約10km程度の道のりである。途中の道路上に3番札所と2番札所の案内板が出ていたのでこの辺りに札所が纏まって有るのが確認できる。幸い渋滞は無く何とか予定の時間に1番札所「霊山寺」に到着する事が出来た。
外は未だ雨脚が強く風もある。白装束に輪袈裟を掛けその上にカッパを着て、傘を差してのスタートとなる。先ずは金剛杖を買う為売店に入った。こんな日は客も来ないのだろう、店番は居ない。呼び鈴を押すと5分位してやっとご主人が現れた。色々とアドバイスを頂き、金剛杖とそのカバーを購入し、うっかり持参し忘れた数珠もここで購入した。
さあこれから、お遍路のスタートである。1番札所「霊山寺」の仁王門の前で合掌して一礼する。山門は左側を通ってくぐるものである。門をくぐるとその先には池があるのだが、大雨で洪水となっており、境内に進む事が出来ない状態になっている。花壇のヘリの岩の上を伝って何とか手水舎に向かい手と口を清める。本来は境内は左側通行をしなければならないのであるが、この場合は岩を伝ってやっとのことで本堂に辿り着いた時には、既に靴の中まで水浸しになってしまっていた。
本堂の前のロウソク立て用ガラスケースの中にロウソクを立てて火を灯し、お線香に火をつける。お線香を供えたら、納め札を箱に入れ、お賽銭を納める。そしてお経を唱えるのである。「開経偈」、「懺悔文」3遍、「三帰」3遍、「三きょう」3遍、「十善戒」3遍、「発菩提心真言」3遍、「三摩耶戒真言」3遍、「般若心経」「御本尊真言」3遍、「光明真言」7遍、「三祖宝号」遍3「回向文」と唱えるので結構時間がかかる。最初のころは未だなれないのでお経を唱えるスピードも遅い。次に太子堂で一から同じ手順を踏んでお経を唱える。そしてお参りが終わったら納経所に移動して、そこでご朱印をいただくのである。納経所では御朱印帳(納経帳)一冊あたり300円を支払う。そうすると担当の方が、達筆な墨書でそのお寺(札所)の名前、ご本尊の名前と御本尊に対する梵字などをさらさらっと書き入れ、朱印で札所番号・ご本尊の印・札所の印をポンポンッと押してくれる。書いたばかりの時は未だページが濡れているので、そのまま本を閉じるとページがくっ付いてしまう。大抵は古新聞の切れ端がカウンターに積んであってそれを書いたページに挟んでこちらに御朱印帳を返してくれる。その他にご本尊の「お御影(おみえ)」と「散華(さんげ)」を一枚づついただけるので、忘れずに貰って帰らなければならない。これは88枚づつ集めるとお御影帳に収納して保存すると記念になる。また、散華は専用シートに貼り付けて額に入れて飾ることが出来る。

この時、納経所では常連さん的な男性が担当者と雑談をしていた。今日は何番から廻ってここまで来たと言う話をされていて、その方の話を聞いていると休みの度にお遍路廻りをしている様だ。

我々は「お遍路初めて廻るんです。これからです」と挨拶して、少々雑談などしたが、今日の予定を考えると先を急がなければならないので、ご朱印をいただいたら急いで車に飛び乗った。

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第1番<竺和山 霊山寺 一乗院> じくわざん りょうぜんじ いちじょういん

本尊:釈迦如来

開基:行基

真言:のうまく さんまだ ばだなん ばく

宗派:高野山真言宗

駐車場:境内に隣接(県道沿い) 納経所:本堂横

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続きはこちら「2番札所・極楽寺~」

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